国連ユースボランティ​ア 活動レポート

モザンビーク  浜川 美希さん
(異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科3年)

2016年11月の活動レポート

2016年9月からモザンビークの国連ボランティア計画(UNV)で活動中の浜川さんのレポートです。

Week7<< 10月31日~11月6日

魂コミュニケーション
今週はCommunication and Advocacy Officerならではの仕事とも言える、外部へのコンタクトやミーティングをたくさん行い、自分が考案したイベントを実現するためにたくさんの人と話しました。1ヶ月ほどポルトガル語を勉強してきたので、基本的なあいさつや簡単な会話をすることができるようになったのですが、自分の伝えたいことをしっかり伝えられるほどのレベルではなく、英語を少ししか話せないパートナーたちとのミーティングはとても大変でした。まともにポルトガル語を話せない上に「商談」のテクニックが0に等しい私でしたが、いろんな人と話し合ううちに、一番大事なのは個人につなげることだと気づきました。

イベント協力のお願いのためアートギャラリーに訪問した際には、偶然にも私が気に入った作品の作者に会うことができ、彼の作品に対する思いやモザンビークに対する思いについて聞くことができました。彼は英語を話さないのでポルトガル語を話すしかなかったのですが、私もイベントについて話し、彼に協力してもらえるように約束してもらいました。なにかを創るには人と人のコミュニケーションが欠かせない、むしろ基礎だということを実感しました。ことばに壁があるからこそよりいっそう魂で伝えようとするのかもしれません。英語が公用語の国じゃないモザンビークに来られてよかったと思います。
(写真:IVDのための青年スポーツ省とCNVの会議での様子。ポルトガル語での会議なので、あまり発言することはなかったのですが、ポルトガル語で自己紹介してみなさんに私の存在を認識してもらえました)

Week8<< 11月7日~11月13日

天候が荒れる日々
最近のマプトはよく嵐と晴れの日が続きます。灼熱の太陽が続くと思えば、突然の雷雨がやってきて、UNDSSから安全のために早めに退勤するように連絡をもらう日もありました。スコールがやってくるのも珍しくなく、私もスーパーに向かう途中に豪雨が始まり、くるぶしに届くまで道端に水がたまり、歩くのもとても困難でした。

その中でよくよく注目してみてみるとおもしろいのは人々の雨のよけ方です。モザンビーク人はあまり傘を差しません。その代わりにビニール袋をよく使います。小さいビニール袋を頭にかぶったり、大きいごみ袋をカッパ替わりに体にかぶったり、中にはバケツをかぶっていた人もいました。雨になると道路が水に溢れ、流れが少し急な川に変身します。よくよく見ればいろんなごみも流れています。汚い水の中で歩くのはとても健康的ではないのですが、もう歩き始めてしまったので引き返すよりも目的地に行こうと思い、私も急ぎ足でスーパーに向かいました。外国人はたいていこのような天気は車に乗っているため、現地の人々は大雨の中傘をさして歩く私を珍しそうに見てきます。二度と繰り返したくないほど汚く大変な道のりでしたが、現地の人々の雨の中の対応を観察することができる貴重な機会でした。
(写真:豪雨が降ったときの道路の様子。道を渡るにもひと苦労な上に、車はもはや動きません。排水設備が悪いので雨のシーズンになると事故も増え大変です)

Week9<< 11月14日~11月20日

イベント開催に向けて
今週はとにかく来週土曜日に開催されるWall paintingイベントに向けて準備に没頭した一週間でした。発注を進めるためにデザインを決めなければいけない、当日の進行の確定のためにプログラムを作らなければならない、たくさんの人に会って打ち合わせをしなければいけない。やらなければいけないことに迫られて、少し圧倒されてしまったときもありました。来週の金曜日までに必要な物品がそろうかもわからない状態でいるのは、イベント考案者としてはとても心苦しい状態です。時には緊張のあまりに、やるべきことが次々と頭に浮かんで、眠れない夜もありました。

イベントの直前でストレスが溜まっていますが、達成感も強く感じます。デザインが決まった瞬間、物事が進んだ瞬間、または一生懸命話していたパートナーに「よし、参加する」と言ってもらえた瞬間。とても地味な努力に、評価してもらえる人も少ない中、「これでいいんだ、自分はよくやった」と自己肯定して、自信をつけています。全力で取り組んでいるのは、誰よりも自分がわかっていて、例え褒められることがなくても自分でなんとかして進めるしかないということは、個人主義がとても強い国連の環境下ならではの気づきかもしれません。
(写真:UNV workshopでの集合写真。スタッフとして動きながらも受講しなければいけなかったので忙しかったのですが、とてもいい時間でした)

Week10<< 11月21日~11月27日

Paint Your Mozambique-SDGについてウォールペインティングをする
11月26日(土)に、マプト市内の中学校でUNVとUNDP主催のウォールペインティングイベントが行われました。イベントの内容は持続可能な開発目標(SDG)について、地元のアーティストとボランティアたちが中学生たちと学校の壁に絵を描きながら学ぶものです。モザンビークに渡航する前に思いついた「アート+ボランティア+開発」という企画をこのような形で実現できてとてもうれしいです。ユースボランティアだから、提案しても通らないかもしれないと思っていた9月から、いろんな人にプレゼンしてアドバイスをもらって、スポンサーを付けて11月末にイベントを成功させるところまで持っていけました。準備の過程はとても大変で眠れない日々やうまく進まなくていらいらしてしまったときもありましたが、200人以上の来場者がイベントに来て、私がデザインしたTシャツを着て絵を描いているところを見るととても達成感があります。100点満点とは言えないけれども、たくさんの人に協力してもらえたこと、生徒たちにSDGについて知ってもらえたこと、UNVとしての認知度が上がったことを考えると、イベントは成功したといえると思います。
(写真:イベントに集まった生徒の様子)

過去のレポート

■2016年9・10月
■2016年11月
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