国連ユースボランティア 活動レポート
ヨルダン |
石井 龍斗 さん (文学部
文学科英米文学専修 3年)
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2021年9~11月の活動レポート
2021年9月下旬からヨルダンの国連児童基金 (UNICEF)で活動中の石井さんのレポートです。
2021年9・10月(オンライン~下旬から現地で活動中)
派遣先の紹介
2021年9月下旬よりUNICEF(国際連合児童基金)ヨルダン事務所で、国連ユースボランティアとしてオンラインで活動を開始しました。UNICEFは世界中すべての子どもたちの命と健康、権利を守るために活動する国連機関です。国連にはCountry OfficeとRegional Office(RO)があり、ヨルダン事務所はMENA(Middle East and North Africa)地域を統括するROであり、その役割は多岐に渡ります。 私は現地コミュニティとのコミュニケーションを担当するCommunication for Development (C4D) AssociateのCOVID-19対応部門に所属しています。特に、COVID-19等問題への対策に役立てるため、SNS等の情報が人々の行動に与える影響を調査・分析します。
アンマン到着
1か月弱のオンライン業務を経てヨルダンへの渡航が決定し、10月下旬に東京からドーハ経由でアンマンに到着しました。ヨルダンの首都であるアンマンですが、街には歩行者用の信号や歩道がほぼ未整備で、道路整備はこれからのようです。瓦礫が積み上げられている場所や、逆に土地がえぐれている場所もあり、歩くのにはなかなか厳しい状況です。傾斜も多く、電車を通すことも難しく車社会になることも頷けます。
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横断歩道がないため、歩行者は中央分離帯を活用して横断する | 瓦礫が積みあがった道路 |
ワクチンレポート
Talkwalkerという情報分析のプラットフォームを用いて、コロナワクチンに関する中東・北アフリカ(Middle
East and
North
Africa; MENA)地域の動向を調査しています。ニュース報道やインフルエンサーのSNS投稿がもたらすMENA地域の人々への影響を数値化し、ワクチン接種につなげるための下地を作っています。日本とつながりのあることを挙げると、先日のモデルナワクチンの異物混入のニュースもMENA地域にも届いており、モデルナワクチンに関して副作用や接種率の低下などが顕著に表れていました。1つのニュースや投稿が多くの人々の意思決定に影響を及ぼす様を感じられるのは非常に興味深いですが、同時にネットの強大な影響力をも目の当たりにし、怖くもなります。
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作成中のワクチンレポート
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Weekly updates
現在、3種類の隔週レポートの作成の任務にあたっているのに加え、毎週のWeekly updatesというメール整理の仕事も任されました。ヨルダン事務所の”Communication for Development(C4D)”という部署に所属し、そのコロナセクションに所属しているのですが、毎日膨大な量のメールが送受信されています。コロナセクションだけでも多い日で1日50通以上、C4D全体ではさらに多くのメールがやり取りされているため、重要なメールも見逃してしまうことがあります。それを防ぐために行うのが”Weekly updates”という業務であり、コロナ関連のメールに添付・記載されているレポート、Webinar、リンクなどをまとめて、改めて共有するというものです。リマインダー機能を果たすこの業務は、他の業務を円滑に行うために欠かせないものであり、帰宅後のメールチェックも欠かせないものです。
2021年11月(現地で活動中)
COP26の振り返り
温暖化レポート作成に当たって、先週に行われたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会)のアジェンダの振り返りをしていただいた。ツバル外相が 海中からの演説など印象的なものも多かった上、パリ協定が締結されたCOP21よりも脱炭素化の枠組みが中心議題 にあげられ、石油立国である中東諸国の今後の環境対応と経済両立が今後の争点になるという総括でした。COP26では若年層の技術的参加している様子も見られました。同世代の学生が温暖化に対して具体的な施策を実行している姿に感化されたのはもちろん、中東の目線から温暖化を考えることは今までにない視点だったため新鮮でとても面白かったです。同時に、日本からの視点に関して、自動車産業の転換の必要性なども客観的にみることが出来たため、視野が1つ増えたように思います。
Country事務所との会議
Country事務所とRegional事務所の協同会議は初めてで興味深かったです。それぞれの事務所の役割を踏まえた上で政策決定されていく様子は、まさにコロナにチーム戦で挑んでいるようでした。Regional 事務所からは、MENA地域各国と比較したヨルダンのワクチン接種の動向やマスクの売り上げなどが提示され、ヨルダンがどのような状況なのか客観的に分析されていました。一方でCountry事務所からは現在が感染拡大状況にあることや、年末年始以降の予測が示され、ヨルダン内部の状況を深掘りした情報が提示されました。それぞれが収集した情報を掲示し、今後の政策を決めていく過程では、途方もない時間と労力が割かれていることを肌で感じることができました。
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