国連ユースボランティア 活動レポート
モザンビーク |
久保 劍将さん (法学部 法学科 4年)
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2018年12月の活動レポート
2018年11月からモザンビークのUN Womenで活動中の久保劍将さんのレポートです。
Week 5<< 12月3日~12月7日
National Gender Conferenceにブースを出展
首都のマプトで2日間に渡って開催されたNational Gender ConferenceでUN
Womenのブースを設置し、そこに訪れる方々に活動内容をお話する機会をいただきました。政府系機関から市民団体まで、Genderに関する活動を行う人々が参加する会ではあったものの、UN
Womenの知名度はあまり高くなく、どのようなプロジェクトがメインで現在行われているのか質問を受けることが多くありました。この会場には、モザンビーク国内の州の各地の名産品が販売されており、カシュージュースやバオバブコーヒー、モリンガといった日本では目にすることが少ないものが多くあり、首都マプトにいながら他の地域についても知ることができた貴重な機会でした。
International Volunteer Day
12/5はInternational Volunteer Dayとされており、UN
Volunteerとして現地のボランティア団体の企画するイベントの運営に携わりました。そのイベントのテーマは、「児童結婚をなくすためにボランティアがどのように貢献できるか」というもので、UN
WomenからはProgramme
Officerがパネルディスカッションに参加しました。日本ではなかなか馴染みのないテーマのように感じますが、モザンビークでは統計的にも約5人に1人は10代で結婚をしていると言われており、実際に私の友人の多くもそれに該当しており、同時に出産を経験していることが多いです。モザンビークにいるからこそ、そういった問題をより身近に感じることできているので、今自分自身がどのように関わっていくことができるのか、考えていきたいです。
(写真:International Volunteer Day にて、UNVの上司と日本人国連ユースボランティア派遣者と)
Week 6<< 12月10日~12月14日
UNVコミュニティでの交流
週末に、UNV(国連ボランティア計画)の2人の上司宅にお誘いいただき、地元の子供たち90人を招いたパーティや自宅にあるたくさんのマンゴーをいただく機会がありました。どちらの地域も中心部からは離れており、非常に静かなエリアで、時間がゆっくりと進んでいくような感覚があり、交流を楽しみながらもリラックスすることができました。UNVとして派遣されているものの、普段はUN
Womenで勤務しているため、UNVの上司や他の事務所に派遣されているUNVの同期と関わる機会は非常に少ないため、こういったものを積極的に作っていただけたことは有り難く感じました。最近ではコミュニケーションアプリを用いたグループも作られ、これからこのつながりの中でのコミュニケーションがより一層増えていくことに期待したいです。
同僚や上司の温かさ
12月の初めに身内に不幸があり、一時帰国をしていたため、この1週間はほとんど勤務していません。非常に悲しいことであったのですが、それを知った同僚や上司、皆が私に励ましの言葉をかけてくれました。恐らくそれに場所は関係なく、日本でも同様であると思いますが、日本語と比較すると言葉や表現がいわゆる直接的で、受け取る側の私にとってはそれが心の支えになったように感じました。文化の違いを感じながらも日々新たなことを経験し、感じることができており、残りの日々も充実した日々が過ごせるよう努力していきたいです。
(写真:上司宅でUNVの交流企画の様子。モザンビークの現地料理やマンゴー狩りを中心に皆で楽しむことができました)
Week 7<< 12月17日~12月21日
Female Prison(女性刑務所)を訪問
12/5のInternational Volunteer Dayに関連させ、UN Women に所属するUN
Volunteerで、モザンビーク国内で唯一の女性刑務所を訪問する企画を実施しました。当日は所長よりその刑務所に関する説明を受け、事前に購入していた日用品や食料品の他に事務所内で募った未使用の衣類を寄付しました。初めて入る刑務所内は、私の想像よりも遥かに穏やかであったことが第一印象です。その刑務所内に学校や会社があり、勉強はもちろん、看護や裁縫等のスキルを取得しながらお金を稼ぐこともできるとのことでした。一度罪を犯してしまった人々、いわゆるある種の社会的弱者以外等する人々に対して、モザンビークが国として保護していることには、驚き共に感動しました
Inhaca島
モザンビークの首都マプトから近くに位置するInhaca島を週末に訪れました。マプトの港から出ている政府の運営する船に乗り、約3時間で到着しました。日本語や英語での情報が非常に少ないため、事前情報が少ないまま出発したものの、綺麗な海や美味しい食事を満喫することができました。首都から簡単に訪れることができるものの、マプトとはまた異なるモザンビークを見ることができたような気がします。島にある限られた食材や資源を有効活用し、自給自足をして生活しているモザンビークの人々の姿は非常に素敵でした。
(写真:マプト~Inhaca島間の船内の様子。基本的には住民の交通手段となっているようで、大きな荷物や食材を積む人々の姿もありました)
Week 8<< 12月24日~12月28日
仕事納めパーティーに参加
昨年度、インターンとして勤務していた企業での仕事納めパーティに招待していただき、参加してきました。ここでのパーティは、炭火で焼いた鶏肉や豚肉とサラダ、主食であるシマ(白トウモロコシの粉をお湯で練ったもの)を囲んで話すもので、全てシンプルな味付けにも関わらず非常に美味しかったです。昨年と現在を比べると、都心部に住んでいることもあるのか、どうしても現地のモザンビーク人の友人を作ることが難しく、ポルトガル語でのコミュニケーションの機会も減っているような気がします。その中で昨年度の滞在から現在まで続けて、友人として連絡を取り合い、こうして暖かく迎えてくれる環境は、本当に有難く感謝しています。
言語の大切さ
現在のこの環境で改めて言語の大切さを日々感じています。モザンビークの公用語であるポルトガル語を話すことは当然として生活をする上で必要不可欠なのですが、首都マプトに住むモザンビーク人の民族の言葉であるシャンガナ語も同様に、外国人として生活する上で大切なのではないかと感じています。私が挨拶程度のシャンガナ語を話すだけで、立ち止まって会話をしてくれ、また別の言葉を教えてくれるモザンビーク人が非常に多いです。ポルトガル語でも外見が全く異なるためか、どこか距離感のあるコミュニケーションを日々感じていたところ、シャンガナ語を話すことで一気に距離感が縮まるような感覚があり、また仲間に入れてもらえたような安心感がありました。シャンガナ語は、業務には必要であると強くいうことはできませんが、ボランティアとして現地のコミュニティと関わっていく上では大切であると感じ、年末より勉強を開始しました。昨年度の滞在では気付くことのできなかったことに今回気づくことができ、改めて貴重な機会であると感じています。今回モザンビークに滞在しているからできることを逃さないように残りの期間過ごしていこうと思います。
(写真:最終勤務日を終えたVerde Africaの従業員の方々と)
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