国連ユースボランティ​ア 活動レポート

フィリピン  木村 茉莉さん
(経済学部 経済政策学科 4年)

2017年11月の活動レポート

2017年10月からフィリピンの国連食糧農業機関(FAO)で活動中の木村さんのレポートです。

Week 5<< 11月6日~11月12日

ASEAN首脳会議
11月10日~14日にかけ、フィリピンではASEAN SUMMIT2017が開催されます。そのためマニラは11月13日~15日まで急遽祝日となります。しかしながら、ASEAN SUMMITは国連にとっては重要なイベントであるため、私たちにとっては非常に忙しい時期となります。FAO(国連食糧農業機関)の広報チームでは来週月曜日にニュージーランド大使館との共同イベントをメディア向けに行います。FAOではISとの戦闘地域で甚大な被害を受けているMarawiを農業面から支援しており、そのプロジェクトのドナー(支援者)となってくださっているのがニュージーランドです。そのため、このイベントはメディアを通し、多くの人々に私たちのプロジェクトを知ってもらうための重要なイベントとなるため準備に追われた一週間でした。

GAWAD KALINGA ENCHANTED FARM訪問
土曜日の夜から日曜日にかけて、GAWAD KALINGA ENCHANTED FARMを訪問しました。GAWAD KALINGAは2024年までに500万家庭の貧困を終わらせることをVisionに掲げ活動しています。今回訪問したGAWAD KALINGA ENCHANTED FARMはマニラから2時間ほどのAngatという町にあり、ここには世界中から起業家が集まっています。今回はそのファーム内で活動する日本のNPO Paletteさんで働かれている方に案内していただき、GAWAD KALINGA ENCHANTED FARMではどのようなビジネスが行われているのか、またNPO Paletteさんがどのようなビジネスをされているのかといったお話を伺いました。それだけでなく、NPO Paletteさんで英語教師として実際に働かれているフィリピン人の方にお会いし、お話を伺いました。普段は国連で働いていますが、フィリピン滞在中に国連の活動だけでなくフィリピンで行われているさまざまな取り組みに触れ、学んで行きたいと感じました。

GAWAD KALINGA ENCHANTED FARMのフォトスポット

ニュージーランド大使館との共同イベントにて使う招待状

Week 6<< 11月13日~11月19日

国連事務総長アントニオ グテーレス氏の来比
11月10日~14日のASEAN SUMMIT2017に合わせ国連事務総長アントニオ グテーレス氏が来比されました。来比に合わせフィリピンでは国連で働く職員向けのミーティングが開催され、直接アントニオ グテーレス氏のスピーチを伺うことができました。それだけでなく、職員からの質問の機会が設けられ、紛争地域であるMarawiに関するトピックやジェンダーに関するトピックなど様々なテーマで議論が行われました。同僚の方々に話を聞いても、直接国連事務総長に会う事ができる機会は一生に一度あるかないかの事とのことで、来比のタイミングと自身の国連ユースボランティアの派遣タイミングが一致したことは本当に幸運なことであると感じました.
(写真:国連事務総長アントニオ グテーレス氏との職員ミーティング後の会場にて)

International Volunteer Day
私は普段はFAOの広報官として活動していますが、FAOの職員でありながらUNV(United Nations Volunteer)でもあります。そのためIVD (International Volunteer Day)は非常に大切なイベントです。今年のフィリピンのIVDのテーマは”Volunteers as first responders in times of crisis”です。例えば、フィリピンは自然災害が非常に多く、2013年の台風ヨランダでは非常に大きな被害がでました。その際いち早く活躍したのがボランティア達です。ボランティアは支援という側面だけでなく、現場の状況をいち早く周囲に伝える役割という側面も持っています。このように災害の多いフィリピンにおいて、ボランティアは非常に重要な役割を果たしています。そこでより多くの人々にボランティアの役割を知り、活動してもらうことを目指し、今年のIVDは行われます。私も1人のUNVとしてこのテーマをより多くの人に伝え、先に述べた目標の達成に向けメディアの面からIVDをサポートします。


Week 7<< 11月20日~11月26日

オフィスの引越し
フィリピンに来る前まではまったく知らされていなかったことなのですが、実はオフィスが私の滞在期間中に2回引っ越すことになっています。というのも新オフィスの建設が予定より大幅に遅れているにもかかわらず、現在のオフィスからは移動しなくてはいけないということになり、新オフィス完成まで一時的にFAO(国連食糧農業機関)とは違うビルにあるWFP(国連世界食糧計画)のオフィスに移動することになったためです。

建設が予定より大幅に遅れるといった予定通りに行かないこともフィリピンでは非常によくあることです。そして、今週は先に述べたオフィスの引越しのためにひたすら荷物をリスト化し、詰め続けるという作業をしました。私の働くcommunicationのチームはFAOがイベント等で使うパンフレット、Tシャツ、マグカップなどありとあらゆるものを保有しています。そのため、引越しのためにしなければならない作業が非常に多く、かつ来週11月27日にDonor Briefingと呼ばれる年間の活動報告会が行われるため、その準備も並行して行わなければならず、この5ヶ月の中で最も忙しいであろう1週間となりました。

このようにすべてのものを箱につめ、ラベルをつけていきます

毎日通っているオフィスにある世界地図とももうすぐお別れ

Week 8<< 11月27日~12月3日

FAO PHILIPPINES YEAR-END DEVELOPMENT PARTNERS FORUM
今週の月曜日は” FAO PHILIPPINES YEAR-END DEVELOPMENT PARTNERS FORUM ”(通称Donor Briefing)が行われました。これは今年FAO(国連食糧農業機関)フィリピンに協力してくださった方々への報告会のようなもので、政府機関関係者や各国の大使を招き行われます。今年はFAOがフィリピンで活動し始めてから40周年目にあたる記念の年であり、それぞれのプロジェクトのプレゼンテーションや映像の上映、パートナーからのメッセージだけでなく、スペシャルゲストとしてお招きした、フィリピン副大統領であるLeni Robredo氏から直接スピーチをいただきました。その中では今までの食糧や飢餓問題への取り組みへの評価と感謝のお言葉とともにFAOのこれからの40年にも期待します、とのお言葉をいただきました。
(写真:FAO PHILIPPINES YEAR-END DEVELOPMENT PARTNERS FORUMにて同僚と)

FAOで働き始めて2ヶ月が経過
FAOで働き始めてからもうすぐ2ヶ月が経とうとしています。毎日の日々があっという間で、残りの3ヶ月もあっという間に終わってしまうのではないかと危機感を感じると同時に自分の関心や視点が以前から少しずつ変化していると感じます。例えば、私はフィリピンに来るまで食料や農業という分野にまったく関わりを持ったことはなく、あまり食料や農業に関する情報を気に留めることも少なかったのですが、FAOで働いていると自然とこれらの情報が気にかかるようになってきました。フィリピンに来てからイベント続きで、気づけば残り3ヶ月、もう一度いままでの自分を振り返り、残り3ヶ月をどのように過ごすか考えていきたいと思います

過去のレポート

■2017年10月
■2017年11月
■2017年12月
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