国連ユースボランティ​ア 活動レポート

フィリピン  木村 茉莉さん
(経済学部 経済政策学科 4年)

2018年1月の活動レポート

2017年10月からフィリピンの国連食糧農業機関(FAO)で活動中の木村さんのレポートです。

Week 13<< 1月2日~1月7日

SDGsキャンペーン
今週は上司がオフィスに不在だったため、自身のプロジェクトであるSDGs(持続可能な開発目標)キャンペーンを中心に取り組む日々でした。
SDGsは国連全体として掲げているものですが、FAO(国連食糧農業機関)であればSDGsと食料や農業、UNICEFであれば、SDGsと子供といったようにSDGをそれぞれの機関の視点から見ると、それぞれが異なった分野、視点からのアプローチを行っていることがわかります。私のSDGsキャンペーンはFAOが行うキャンペーンなので、食料や農業関連のトピックやFAOの使命にも掲げられている[SDGs2 Zero Hunger]がトピックの中心、Zero Hungerの達成にもつながる[SDGs13 Climate Action] などがサブトピックとなるようにキャンペーンを作っていきます。
参考リンク:
SDGsとFAO Philippinesの取り組みに関するパンフレット http://www.fao.org/3/a-i6756e.pdf

国連で働く理由
国連で働いていると、同僚とご飯に出かけることが度々あります。そして、そこでよくあがるトピックとしてなぜ国連で働こうと思ったのか、何が国際協力の世界で働くモチベーションなのかといったことがあります。例えば、「なぜ国連で働こうと思ったのか?」というトピックであれば、同じUNV(国連ボランティア)として働く香港の友人は「Sustainabilityの分野に興味があり、SDGsを掲げる国連に非常に興味を持っていたため」、韓国の友人は「高校生のときに訪れた北朝鮮での体験が忘れられず、平和構築の分野で貢献したい、経験を積みたいと思ったため」と答えてくれます。これらの思いを聞くたびに私も刺激を受け、もっと頑張ろうという気持ちにさせられています。普段働いていると業務に追われ、自分が何をしたかったのか、国連で何を実現したいのかを忘れてしまいそうになることもありますが、これらの話が毎回初心を振り返る大切な機会になっています。


Week 14<< 1月8日~1月14日

FAOにおけるコミュニケーション
今週はミンダナオ島にある他のオフィスで働くコミュニケーション担当の方々とコミュニケーションポリシーに関するブリーフィングを行いました(FAOにおけるロゴ等の使用方法に関する説明会のようなもの)。国連ではロゴ1つとっても非常に細かく利用条件やフォーマットが定められていたり、規定の承認プロセスがあるため、FAOにおいてもコミュニケーション担当として働く人すべてに実際にコミュニケーションポリシーに関する説明を聞いてもらい理解してもらう必要があります。

FAOでコミュニケーション担当として働いていて気づくことは、なにかFAOのグッズやパンフレット1つ作るのにもたくさんのプロセスやルールがあり、時にはわずらわしいと思ってしまうこともありますが、それによってFAOの広報の質が担保されているということです。例えば、今週の写真になっているニュースレターを作成するにあたっても、発行予定日の2ヶ月以上前からアウトラインの承認を取ったり、インタビューを用意したりと準備をしなければなりません。また、それだけでなく広報用の写真を加工していても写真の切り取り方や光の具合によって全く相手に与える印象が違うためFAOとして何を相手に伝えたいのか、写真から何を読み取ってもらいたいのかということを考える必要があるということに気づかされます。
(写真:FAOで年4回発行しているニュースレター、すでに次号(3月末発行予定)の作成準備が始まっています)


Week 15<< 1月15日~1月21日

送別会
金曜日に香港から来ているUNYV(国連ユースボランティア)と1月末に退職してしまうスタッフのためにオフィスにて送別会をしました。FAO(国連食糧農業機関)では長期契約というものは基本的に行われていないため、多くのスタッフが毎年契約を更新するシステムになっています。そのため12月、1月は人の入れ替わりが非常に多い月になります。特に香港のUNYVの子は年も近く、初めてオフィスに来た日から仲良くしてもらい、さまざまなサポートをしてもらったため非常に寂しくなります。

そしてそれと同時に私のアサインメントも残り1カ月ほどであると気づかされます。残り1カ月で何がしたいのかと考えるとまず今作っているSDGs(持続可能な開発目標)キャンペーンのことが浮かびます。毎日試行錯誤の連続で残り1カ月で最後まで完了できるのか非常に不安ですが、出来る限りプロジェクトを進めて行きたいと思います。また、日常生活でもまだまだいってみたいお店や場所がたくさんあるので、出来る限りやりたいことをすべて達成して帰国できるようにしたいです。
(写真:最後に香港のUNVとオフィスエントランスで記念撮影)


Week 16<< 1月22日~1月28日

World Food Day Contest
今週の業務の中のひとつに、昨年10月16 日「World Food Day」とあわせて行われたWorld Food Day Contestの受賞者対応業務がありました。World Food Day Contestは5歳から19歳を対象としたポスターコンテストと、13歳から19歳を対象としてビデオコンテストから成り、2017年のWorld Food Dayのテーマ「Change the future of migration: Invest in food security and rural development(移住者の未来に変革を~食料安全保障と農村開発への投資)」に沿った作品を通して、世界中の応募者が受賞を目指し競い合います。世界中から多数の応募がある中でフィリピンではポスター2名、ビデオ1グループの受賞があり、これは国別で見ても受賞者数の多い国に入ります。

先に述べたように2017年のWorld Food Dayのテーマは「Change the future of migration: Invest in food security and rural development(移住者の未来に変革を〜食料安全保障と農村開発への投資)」でした。世界情勢の変化から多くの人々が自分たちの家から離れる必要性に迫られており、飢餓、貧困、気候変動、紛争や政治不安などがそれらの要因となっています。特に最貧困層の3/4は農村部で生計を立てています。これらの人々により安定した高い質の生計手段を提供することが移住問題に取り組む上で重要となっており、FAOでは農業開発の観点からスモールビジネスを通した雇用機会の創出を行い、高い生計や社会保障へのアクセスを保障することなどを通し、人々へのサポートを行ってきました。 今年はどのようなテーマになるのか、、何名がフィリピンから受賞するのか今から非常に楽しみです。

【World Food Day Contest 2017特設サイト】フィリピンの受賞者たちの作品も掲載されています
http://www.fao.org/world-food-day/2017/contest/en/


Week 17<< 1月29日~2月4日

第二の家族
今週は仕事の合間を縫って、来週結婚式を挙げる同僚へのサプライズを行いました。全員でこっそりやり取りをしながら会議室をデコレーションし、ミーティングと偽って同僚を呼び出し、盛大に祝いました。 FAOフィリピンでは仕事上の関係を超えて個人の誕生日、結婚、出産といったイベントをみんなで祝う関係性が出来上がっており、これは日々の仕事でのチームワークや普段のオフィスでの雰囲気にもつながっていると感じています。皆がFAOフィリピンの同僚たちを第二の家族と言い、お互いを尊重し、支え合っています。

私はつい4カ月前にFAOに入った身ですが、そのような私のことも受け入れ、1つの家族の中に入れてくれるFAOフィリピンの懐の深さと暖かさには驚かされます。そして、このようなイベントが行われるたびに、毎回私の所属先がFAOフィリピンでよかったな、と改めて感じます。
(写真:同僚の結婚をFAO全員で祝いました)

過去のレポート

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■2018年1月
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