国連ユースボランティ​ア 活動レポート

フィリピン  木村 茉莉さん
(経済学部 経済政策学科 4年)

2018年2月の活動レポート

2017年10月からフィリピンの国連食糧農業機関(FAO)で活動中の木村さんのレポートです。

Week 18<< 2月5日~2月11日

SDGsキャンペーン2
1月から本格的に企画を練って来たSDGs(持続可能な開発目標)キャンペーンですが、ついに企画が形になり正式な実施日や内容が決定しました。この企画ではフィリピン大学ディリマン校のジャーナリズム学科と提携し、Zero Hungerを中心としたSDGsとフィリピンにおけるFood Securityをメインテーマにレクチャー、ストーリーライティング、ブースでのFAO(国連食糧農業機関)紹介の3つの内容の企画を行います。レクチャーではFAOの活動内容やSDGsのことだけでなく、Food Securityや飢餓の問題に関する中立な立場、バイアスのないレポーティングの方法に関してもレクチャーが行われます。特にレポーティングの方法に関しては大学側からの要請に基づいて追加されたもので、実際にFAOではどのようにFood Securityや飢餓の問題をレポーティングをしているのかといった点を紹介する予定です。

また、ストーリーライティングの企画では、実際にジャーナリスト等の立場でレポーティングをしていくであろう生徒達に、レクチャーから学んだことも踏まえ、Zero HungerとFood Securityに関するテーマで記事を作成してもらい、優秀作品をFAOのウェブやニュースレターに掲載します。ただ、レクチャーで話を聞いてもらうだけでなく、実際にアウトプットの機会を設けることで今回の企画から新しいスキルを生徒に身に付けてもらうことを目指します。 実際のイベントの開催は2月末ですが、どのようなイベントになるのか今から非常に楽しみであると同時に成功できるよう準備していきたいです。


Week 19<< 2月12日~2月18日

自分の強みと弱み
来週で勤務が終了となるため、今週は上司からの評価をもらったり、今までの自分の活動を振り返ったりしました。10月からの5ヶ月間の活動を通しイベントの企画、運営やコミュニケーションの業務に関連する情報管理、ロジスティクスなどを行ってきました。その中で自分の強みや弱み、これからもっと伸ばすべきスキルなどがわかってきました。例えばイベント運営において、私はすでにある企画やある程度形になっている企画に対し、新しいアイディアを加えたり、より良いものにしたりしていくことは得意だと感じています。一方で、何もないところから新しい企画を発案するにはまだまだ知識が足りず苦手であると感じ、これからより知識や能力を強化する必要があると感じました。また、上司からこれまでの業務を評価してもらう機会もあり、自己評価だけでなく客観的視点も含め自分のこれからの課題が見つかりました。

国連ユースボランティアとして働く5ヶ月は非常に短く、働いている期間に成果を残すだけでなく、この経験を活動終了後にどのように自分のこれからに生かしていくかという点が非常に重要であると感じました。国連ユースボランティアとして活動することができる期間はあと1週間ですが残りの活動に全力を尽くし、その経験をこれからに活かせるようにしていきたいと思います。


Week 20<< 2月19日~2月25日

SDGsキャンペーン3
今週ようやくフィリピン大学ディリマン校のジャーナリズム学科でSDGsキャンペーンのレクチャーパートが実施されました。以前の計画通り、Zero Hungerを中心としたとFood Securityについてのレクチャーを行ったのですが、フィリピンの生徒が皆積極的に質問し発言していたことが非常に印象的でした。この企画はFAO(国連食糧農業機関)のコミュニケーションユニットの企画として私のアサイメント終了後も継続される予定になっており、自分が12月から考えてきた企画がこうして形になり、持続可能な形で続いていくと考えると不思議でもあり、とても嬉しくもあります。今回はレクチャーパートのみで私の帰国後にストーリーライティングの企画が実施されます。私のアサイメントは今週で終了ですが、今後この企画がどうなっていくのか今から非常に楽しみです。

過去を振り返る
金曜日の勤務終了後、その足でフィリピンのセブ島に行ってきました。実はフィリピンのセブ島は私にとって思い出深い場所で、国連ユースボランティアに応募する以前に約3年間ボランティアとして関わっていた場所で、かねてから再度訪れたいと思っていた場所です。行ってみるまでは非常に緊張していましたが、いざ行ってみると以前と変わらない現地の人々の温かさにここでの活動が今のフィリピンの国連ユースボランティアの経験につながっているのだなと強く感じました。

  SDGsキャンペーンにて

  2年半ぶりに再会したセブ島の人と

Week 21<< 2月26日~2月28日 最終回

最後の挨拶
勤務自体は先週の金曜日に終わっていましたが、引き継ぎ資料の提出や机の資料の整理、挨拶のためにオフィスを訪れました。挨拶をしているとみんなが「気をつけて帰ってね」「寂しい」「次は日本に私たちが行くからね」などと声をかけてくれ、本当にこれで最後なのだという実感が湧いてきました。

この5ヶ月間を振り返ると、この5ヶ月間はずっと私がどのようにしてフィリピンに、FAOに貢献することができるのかを考え続けた時間でした。フィリピンのために何かしたいと思いつつも、自分のスキルや知識の乏しさという壁に直面し、自分の無力さを感じることもたくさんありました。しかし、途中で気づいたことは、自分の無力さに落ち込むのではなく、自分の置かれている現実に向き合い努力を続けることが大切であるということです。プロフェッショナルが集まる国連という組織において、学部生というのは非常に稀な存在です。その中で私に求められるのは今の業務をできる限り頑張ること、そしてこの経験をこれからに生かしていくことなのではないかと働いていく中で感じました。オフィス中で話されているタガログ語も、同僚たちの笑い声も、毎日のひどい渋滞でさえも全てがすでに恋しく、本当に素敵な環境で5ヶ月過ごしていたのだなと感じています。多くの方に「またいつか遊びにきてね」と声をかけていただいたので、次またフィリピンに帰れる日を楽しみに、これからは日本で頑張っていきたいと思います。
(写真:大好きなFAOの同僚たちが開いてくれた送別会にて)

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