国連ユースボランティア 活動レポート
インドネシア |
中井 衿花さん (経営学部 国際経営学科 4年)
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2018年10月の活動レポート
2018年10月からインドネシアの国際移住機関(IOM)で活動中の中井さんのレポートです。
Week 1<< 10月1日~10月5日
国連ユースボランティア活動開始!
9月30日にインドネシアに到着し、タクシーでホテルに向かいました。タクシーの運転手はとてもフレンドリーで、私が日本から来たと知ると日本の音楽を車内で流し、インドネシア語をたくさん教えてくださいました。フレンドリーだったのはタクシーの運転手だけでなく、国際機関で働く職員の方々もでした。初勤務日に挨拶と自己紹介をすると、みなさん「待っていたよ!」と明るく私を迎え入れてくださいました。
私はIOM(国際移住機関)のCounter Trafficking Unitに配属され、企業における移民の雇用問題に関わる予定です。
今週印象に残っている業務は、「インドネシア人が移民として香港で働くこと」をテーマにした動画制作に関わったことです。香港から送られてきた制作途中の5本の動画を観て、改善点をフィードバックするというものでした。動画でどのようなメッセージを伝えたいのかを捉えながら、客観的に観てわかりやすい動画になるようにフィードバックをしました。その他には、ウェルカムオリエンテーション、ジェンダーとIOMの理念に関するWebトレーニング、セキュリティレクチャーを受け、配属先ユニットのミーティングにも参加しました。ミーティングではプロジェクトの話などまだわからないことばかりでしたが、今後それらのわからないことを学んでいくことが楽しみです。5ヶ月間の成果は私の行動次第で異なると考えているので、充実したものにできるよう何事にも精一杯取り組んでいきたいと思います。
(写真:SDGs8 Decent Work and Economic Growth達成に向けて取り組みます)
Week 2<< 10月8日~10月12日
イベント準備
今週は10月末にバリ島で行われるOur Ocean Conference 2018 でIOMが主催するサイドイベントの準備を行いました。
イベントのタイトルは、Tackling Slavery and Human Trafficking in Seafood Supply Chain:
lesson Learned and Best
Practicesです。インドネシアは1万3000以上の島で構成される島嶼国であり海洋資源が豊富です。ところが東南アジアの水産会社は漁師や船乗りを移民として隣国に送り合っており、その移民の過酷な労働環境と不適切な低賃金労働が問題となっています。
このサイドイベントはIOMが大学の研究者や海洋漁業省と行った研究成果を海洋分野関係者に発表する大切な機会として開催されます。私はサイドイベント開催を知らせる招待状やリマインダーの作成と送付、登録方法の案内を行いました。上司と相談しながらわかりやすく失礼のない文面作成に取り組みました。
バティック
バティックはインドネシアの伝統的な染め物で、IOMの職場ではバティックの服を着用している人がたくさんいます。仕事終わりに職場の同僚と一緒にバティックのショッピングに行きました。
(写真:バティックは日本の浴衣のように、様々な美しい柄があります)
Week 3<< 10月15日~10月19日
Global Migration Film Festival
今週はIOMが主催する11月中旬から始まるGlobal Migration Film
Festivalに向けて準備をしました。イベント当日で上映する動画と優秀賞を決めるため、応募された動画を実際に鑑賞し審査をしました。動画でどのようなメッセージを伝えたいのか、政治的に問題はないか、撮影技術など様々な観点から審査をしました。ミーティングでは、動画を観た感想や意見をチームメンバーに共有しました。自分の意見に自信を持つために、なぜ自分がそう考えるのかを一度頭で整理してから意見を述べるようにしました。
ステンレスストロー
私がオフィスに来て気づいたことは、オフィスの職員の方々が日々の積み重ねを軽んじることなく環境問題に対して自分にできることを実践していることです。カフェや飲食店でマイクロプラスチックごみによる環境汚染対策として、プラスチック製ストローを廃止する取り組みが広まっていますが、私が派遣されているIOMのオフィスでは殆どの職員が繰り返し使えるステンレスストローを使っています。自分で日々できることの積み重ねが大切であると考え、マイボトルを持ち歩くなど、私も日頃から環境に配慮しながら生活することを心掛けています。
(写真:週末に開催されたASEAN Youth Conferenceの国連のブースでIOMの紹介をしました)
Week 4<< 10月22日~10月26日
現代奴隷と企業の責任
私は現在、企業の業務やサプライチェーンにおける現代奴隷や人身取引を排除することを目的としたIOM(国際移住機関)のプロジェクトに取り組んでいます。多くの多国籍企業はインドネシアをはじめとして世界各地に工場や下請け業者を抱えていますが、そこでは過酷環境を強いられて働いている人が多くいることがわかっており、倫理的なビジネスが課題となっています。ILOの報告書によると現代奴隷制の被害者は世界で4,000万人以上いるとされています。このうち、2,500万人が強制労働の被害者であり、強制労働に限ってみるとアジア太平洋地域の被害率が最も高いです。私は今、国連ボランティアとして現代奴隷の問題に向き合っていますが、消費者としても、身の回りのものがどのようにつくられているのかをよく考える必要があると思います。
大学生訪問
インドネシアの現地大学生が大学のプログラムでIOMを訪問した際に、移民やIOMに関するクイズを出しながらIOMのプロジェクトについて説明をしました。多くの学生の前で発表することは緊張しましたが、クイズ形式によりインタラクティブな発表をすることができました。
(写真:IOMを訪問した現地の大学生にIOMについてのプレゼンテーションを行いました)
Week 5<< 10月29日~11月4日
ボランティアとしてのやりがい
今週も引き続き先週のレポートに書いた企業のCSRをサポートするプロジェクトに取り組みました。私は今後4カ月間主にこのプロジェクトを担当します。私の提案したアイデアが承認されるとそれがプロジェクトの形となり、成果となるので、大変やりがいを感じます。上司と設定した目標を達成することができるように、限られた時間を無駄にしないよう、工夫しながら取り組んでいきます。
インドネシアでの食事
インドネシアに来てから1カ月が経過しました。屋台での注文や渋滞の中での移動など日常生活ではまだ慣れないことばかりですが、毎日の新しい発見を楽しみながら生活しています。インドネシア生活で特に楽しんでいるのは食事で、毎日新しい屋台やレストランに行き様々なインドネシア料理を試しています。インドネシア語で「ゴレン」は油で炒める、揚げるという意味なのですが、ミーゴレンやナシゴレンなど多くのインドネシア料理の名前には「ゴレン」がつきます。また、香辛料をふんだんに使った辛い料理が多いことも特徴です。ジャカルタには大戸屋や吉野家をはじめ居酒屋や寿司屋などたくさんの日本食屋がありますし、大きなスーパーは日本の調味料を販売しているので、日本食に困ることがありません。
(写真:インドネシアのUNV(国連ボランティア)で集まってご飯を食べました)
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