国連ユースボランティ​ア 活動レポート

カザフスタン  成田 好さん
(社会学部 現代文化学科 3年)

2020年1月の活動レポート

 2019年9月からカザフスタンの国連常駐調整官オフィス(UN RCO)で活動中の成田さんのレポートです。 UN RCOについての紹介はこちらをご覧ください。

Week 16<< 2020年1月6日~1月12日

RCO meeting
新年が明けてから初めての出勤日ということでRCO(国連常駐調整官オフィス)のスタッフで集まりミーティングを行いました。昨年から続いている仕事の進捗状況や新年が明けて新たに設定されたスケジュールなどを皆で共有していきました。現在RCOのスタッフが主に担当しているプロジェクトであるCooperation FrameworkはSDGs(持続可能な開発目標)達成を目指し、国連のシステムをより発展させるためにUNDAF(United Nations Development Assistance Framework)よりもさらにエージェンシーを超えた協力を要請される2021年~2025年の指標となっています。さらにEUとの協働でカザフスタンを含む中央アジアの国やアフガニスタンの女性への暴力を撤廃するプロジェクトも動いています。各エージェンシーとコミュニケーションを取りながら、どのように完成させていくのかその工程をミーティングや同僚から直接学ぶことができる貴重な機会を活かして自分なりに学んでいきたいです。

UN75
2020年は国連創設75周年という記念すべき年であるため、UN75に向けてアイデアを集めているところです。全体のテーマとしては“Shaping our future toghther” ということでSDGsの達成への意識を再確認する大切な機会であると考えられています。特にUN75では市民の声に耳を傾ける取り組みが行われているのが印象的で、特設サイトを開くと誰でも自分の意見を共有することができます。UN70の際にどのような催しが行われていたのか、カザフスタンだけではなく世界各国をリサーチしながら、自分のアイデア案を作成していきたいと考えています。このイベントは私が帰国後に開催される予定なので少し残念に思いますが、自分の意見や担当の業務に責任感を持って取り組んでいきたいです。

Week 17<< 1月13日~1月19日

Joint SDGs Fundミーティング
このミーティングは主にSDGs(持続可能な開発目標)への協働資金をどのようなプログラムにどこの機関が、どれだけ割り振るのかを話し合っています。今回は事前に行われていたオンラインでの説明をふまえて、理解の共有とそれぞれの組織による意見交換、さらに今後の進め方が話されました。このようなSDGsに関わるものは特に国連全体のものとして組織を超えた協力が必要とされている印象を受けました。それぞれの組織で特定のターゲットや目標があるからこそ互いの経験を生かすために、RC(国連常駐調整官)が中心となって進行していて、ミーティングの中でもSDGs達成のための国連改革の影響があるのだと実感しました。

カザフスタンのテレビ番組によるインタビュー
カザフスタンでUNV(国連ボランティア)として活動している私たちにテレビ番組のインタビューが行われました。普段の業務内容というよりは、どのようにしてこのプログラムに参加したかや日本のボランティアの事情などボランティアに特化した質問が多く聞かれました。2020年はカザフスタンにとって国内のボランティアリズムをさらに向上させていこうという大切な1年であるので、このような機会にここでボランティアとして活動できることはとても光栄に思います。UNではなく、カザフスタンのボランティアに対する広報活動は新鮮でしたが、何を求められているのか相手の立場に立って質問を理解することの重要性は共通していると感じました。

オフィスの移動
活動期間が残り1カ月となってきたところで、新しいコミュニケーションのスタッフを受け入れる準備のため、オフィスを移動することになりました。同じフロアでの移動のためそこまでの変化はありませんが、また一人部屋に戻ることとなったので最後の1カ月を自分の仕事に集中したいと思います!
(写真:新しいオフィスの風景)

Week 18<< 1月20日~1月26日

SDGs 16のローカライズ指標における国内ワークショップ
UNODC(国連薬物犯罪事務所)と在カザフスタンカナダ大使館との協同で行われたワークショップに参加しました。これはSDGsの中で特にゴール16(平和・正義・強力な制度)に特化されていて、普段の生活や仕事内容とは少し違ったトピックだったのでとても興味深かったです。特にカザフスタン内のデータを細かく利用しながら犯罪や薬物に対してどのような取り組みが行われているのか学ぶことができました。さらに下村代表がワークショップに参加しているオーディエンスのSDGsへの知識に応じてスピーチの内容を変えられていたのがとても印象的でした。同じSDGsというテーマでも国連の外に出ると未だ定着していないのが現状であるため、丁寧に対応していくことが大切であるのだと感じました。

UNCTミーティングの議事録
以前も説明させていただいたようにRCO(国連常駐調整官オフィス)のスタッフは必ずUNCT(各機関の代表)のミーティングに参加します。今回のUNCTミーティングではそれぞれの機関での新たな情報やプロジェクトの進み具合を共有していきました。他の機関が何を行っているのかリアルタイムで追うことができ、それに対してRCはどのようなアプローチをとっているのか各機関へのコメントから推測することができます。さらには新たなイベントやワークショップのスケジュールなども共有されるので自分自身でコンタクトを取り、積極的に参加するように心がけています。その中で主に議事録を担当していますが、二時間を超えるミーティングでメモを取るだけではなく、専門用語などの速やかな理解が必要とされるので慣れるまでとても苦労しました。過去の議事録のテンプレートを参考にしつつ分かりやすくまとめられるように心がけています。

新年賀詞交換会
カザフスタンに在住する日本人として日本大使公邸で開かれた新年賀詞交換会に参加させていただきました。下村代表や奥様の他に大使館で働かれている方や、日本企業の駐在されている方など多く集まり、様々なお話を聞くことができました。日本大使公邸に訪れる機会はめったにない貴重な機会のため、じっくり観察しましたが日本とカザフスタンどちらの文化も感じる素敵な内装でした。さらにおせち料理やお寿司などがふるまわれ、久しぶりの本物の日本食はとても美味しく感じました。派遣されてから社会人の方と接する機会が増えたので、常に相手にとって恥ずかしくない振る舞いを意識したいと思います。

(写真左:SDGs 16達成のためのワークショップ)
(写真右:60円で観戦できる人気のアイスホッケーの試合)

Week 19<< 1月27日~2月2日

Online Spaceの活用
私が担当としていたRCO(国連常駐調整官オフィス)スタッフ専用のOnline Space のミーティングを終え、スタッフ全員と共有することができたので、どのように活用していけば効率よくコミュニケーションを取ることができるのか同僚と話し合いました。そこで私はこのスペースの簡単なイントロダクションを付けるとともにそれぞれのプロジェクトを後からでもフォローアップできるように概要を記入するフォーマットを作成しました。このOnline Space を作成しただけでそれなりに意味があるのだと思っていましたが、それぞれが機能や使い方などを理解し、作ってよかったと思ってもらえるようになるのは想像より難しいのだと感じました。派遣終了まであと少しですが、ITのチームの人とも相談しながら模索していきたいと考えています。

USGのカザフスタン訪問
UN Under Secretary General(USG/国連事務次長)であるMr. Fabrizio Hochschildがカザフスタンのアルマトイとアスタナを訪れました。さらに彼はUN75の特別アドバイザリーに任命されているため、カザフスタンでどのようにUN75と向き合うべきなのかなどの話し合いも重要な目的のひとつとなっていました。1月31日にアルマトイとスカイプでのUNCT(各機関代表)ミーティングがあり、2月1日にはアスタナの大学で”youth”である若者とミーティングが行われました。初めに国連事務次長や下村代表のお話があり、その後質疑応答へと移りました。私も質問する機会を頂き、今回のUN75は今までの国連のアニバーサリーとどのように異なるのかを伺いました。国連事務次長はUN75はウェブサイトの誰でも参加することができる調査や他のプラットフォームを通して市民の声を“聴く”ことに重点を置いているとおっしゃっていました。SDGsの目標達成として定められている2030年まであと10年となりましたが、身の回りのことから自分自身の意識を変え、それを周りに発信・共有し、拡散していくことが何よりも重要なのではないかと感じました。国連事務次長と直接お話させていただく貴重な体験ができたことを本当に光栄に思います。これを開催するにあたってRCO内で何度も入念な確認や準備が行われてきました。そのようなプロセスを学ぶことができたのも大きな収穫になったと思います。

IT international Universityでの意見交換とワークショップ
今週立教大学関係者が視察にいらっしゃいました。これにあたってIT international Universityという今年設立された大学と私のプログラムやボランティアリズムに関する意見交流の場を設けさせていただきました。これまでこちらの大学生とは個人的に関わることはありましたが、教授と直接お話させていただくのは初めてでしたが、UNV(国連ボランティア)を担当しているスタッフのRimmaの協力もあり、お話させていただくことができました。International Universityということで先生方もボランティアや国連での活動に強い興味を持っていることが分かりました。その後先生のご厚意で私もSDGsについてのワークショップでお話させていただくことになりました。二つのクラスでワークショップを行いましたが、生徒によってSDGsへの知識やそれぞれのゴールに対する問題意識などがまるで違っていてディスカッションしていてとても面白かったです。カザフスタンに滞在している間に目標としていたことが実現し、さらに、先生と一緒に授業を行うことで、普段、先生がどのように生徒の関心を引き付けているのか学ぶことができました。

(写真左:国連事務次長とユースのミーティング)
(写真右:先生とワークショップを開きました!)

過去のレポート

■2019年10月
■2019年11月
■2019年12月
■2020年1月
■2020年2月<最新レポート>

国連ユースボランティアHOME>>