2016年度 陸前高田プロジェクト参加学生レポート

久保劍将さん(法学部法学科3年)

 私が陸前高田プロジェクトへ応募した理由は、日本人として東北に行く責任があると考えていたためです。具体的には、今年の春にカンボジアの孤児院へ日本の文化や遊びを伝えるというボランティアに参加しました。そこでは多くのことを学ぶことができましたが、一番にそもそも私自身の母国である日本のことを何も知らないことを痛感しました。そうした中で、現在あまりTVやインターネットニュースで報道されなくなってしまった東北はどうなっているのか、そう考えていたところに立教大学から陸前高田プロジェクトのお知らせが届き、運命を感じ応募しました。

 こうして応募し、参加することができたのですが、すべて英語で行われるこのプロジェクトは、英語の苦手な私にとって非常に大きな挑戦でした。立教の学生のみでの2回の事前研修では、他の参加メンバーの方の英語のレベルの違いに圧倒され、大きな不安を抱えたままスタンフォードの学生を交えた事前研修、そして陸前高田へと向かっていきました。  しかしながら、いざ始まってみるとそのような不安はすぐになくなってしまいました。もちろん英語が苦手であることには変わりませんが、例えば立教の他のメンバーやSAの方が日本語でサポートしてくれたり、スタンフォードの学生は何度聞き返しても嫌な顔しないで私が分かるように工夫して答えてくれたりと、皆さんに助けられて不安を乗り切ることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 そして、訪れた陸前高田において感じたことは、「simple beauty」・「resilience」・「future」です。まず1つめの「simple beauty」について、決して派手ではないけれど、その中に親近感や魅力を感じることができたためです。陸前高田には、海や山など自然が多くあり、その中で育った作物から作られている料理はもちろん、生活している人々から感じ取ることのできる穏やかな空気から、そのように感じました。次に2つめの「resilience」について、このプロジェクトでは陸前高田の方々へインタビューさせていただく機会が多くありました。皆さん陸前高田に関わっている形は様々でしたが、その中で共通していることが1つありました。それは人と人とのつながりです。訪れる前は、被災地という言葉のフィルターで陸前高田を勝手にネガティブに捉えていました。しかし、実際に陸前高田を訪れてみて、滞在して感じたことはこのようなポジティブなことばかりでした。そうした中で、私が1番強く感じたことは、「future」です。多くのポジティブなことを感じさせてくれた陸前高田は、これから先どうなっていくのだろうという未来へのワクワクとドキドキを今も感じています。また2回目に陸前高田を訪れる機会が待ち遠しくてたまりません。

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