2018年度 陸前高田プロジェクト参加学生レポート

藤本 玲奈さん(文学部 史学科 世界史専修 2年)

 1. プロジェクトを通して経験したことで、他の人と一番共有したいこと
 
民泊でお世話になった吉田さんご家族と
(左から3番目が藤本さん)
 私がこのプロジェクトを通して一番共有したいことは、「現地に行って、直接自分の目や耳で現状を確かめることの大切さ」です。事前に震災については勉強したつもりでしたが、初めて見た被災地の姿は思っていた以上に復興が進んでおらず驚きました。本当にあれから7年以上が経ったのかと思わせられるほどで、外部の人間の認識の甘さを痛感させられた瞬間でもありました。またその時に見た海はとても穏やかなもので、ここから本当にあの凄まじい津波が起こったのかと信じられなかったです。震災前にはその海の近くにあの立派な高田松原もあったことを思うと、本当に自然豊かで美しい街が一瞬にして奪われて、今もなおその爪痕を残す震災の恐ろしさを感じました。

 また、様々な場所で震災に関するお話を聞く機会があったのですが、私は特に初日にガイドをしてくださった、まるごと陸前高田の方の姿が目に焼き付いています。その方は震災でご友人だった公務員の方を亡くされているのですが、そのご友人は職業柄どうしても住民の安全を優先してお仕事をされていたそうです。それで残念ながら亡くなられました。そのガイドの方がおっしゃっていたのは、まず何よりも自分の身を一番に考えてほしいということでした。確かに一人でも多くの命が助かるに越したことはないですが、自分が死んでしまってはどうしようもないし、何よりそのガイドの方が涙ぐみながらお話しされている姿を見て、残された周りの人々の心の傷のことを思うととても胸が痛みました。ここまで述べてきたことはやはり現地に行かない限り感じることは出来なかったと思います。こうして実際に陸前高田に行くことで、震災について改めて考えることができたし、自分もいつ当事者になるか分からないという危機感をより一層持つことができたと思います。

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