2018年度 陸前高田プロジェクト参加学生レポート

森 伶奈さん(社会学部 現代文化学科 2年)

1. このプロジェクトに参加しようと思ったきっかけ
ふるさと体験ビジットで訪問した熊谷さんご夫妻と
(列手前右から2番目が森さん)
 私がこのプロジェクトに参加した理由は、主に2つある。まず、被災地の現状を自分の目で確かめ被災者の人々の話を聞き、復興のために自分に何が出来るのかを考えたいと思ったからである。あれほど大きな震災だったにも関わらず、7年もの年月が経ちメディアでの報道も減っていく中で、震災について考える機会が減っていた。このように「風化」していくこと、そして自分もその当事者であったことに怖さを感じ、この機会にきちんと震災や復興について考え、何か行動を起こしたいと考えた。次に、普段なかなか交流することのない外国の学生や他学部・他学年の立教生と、復興という簡単ではない課題に取り組むという内容に魅力を感じたからである。以前履修したGL101(立教グローバル・リーダーシップ・プログラム科目)でPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)の経験があり、問題解決能力やリーダーシップに関心を持っていた。そのため、このプロジェクトを他者との協働を通して、英語に限らず問題解決能力やリーダーシップなど様々なスキルをブラッシュアップする機会としたいと考えた。

2. このプロジェクトを他の学生に薦めたい理由
陸前高田サテライトキャンパスにて中間報告
 被災地を訪れ、ボランティアをするプログラムは数多く存在するが、この陸前高田プロジェクトはそれらとは一線を画していると感じた。なぜならそれは、「つながり」に主眼が置かれているからである。現地では民泊やふるさと体験、コミュニティスペース訪問など、陸前高田の人々と「つながり」を持つことのできる場面が多くある。また、現地で様々なことを見たり聞いたりして自分の考えを深めることに留まらず、外国人を含めた多様な学生とチームを組み、協働して課題解決に取り組むという中々ないアウトプットの場が設けられている。それにより、他学生と「つながり」を持つことができる。更に、プロジェクトはすべて英語で行われるため、常に英語を使う環境に身を置くこと、英語を話す力を鍛えることが可能である。「被災地の現状を知ることができる」「復興のために何ができるか考えを深められる」ということだけではなく、このように人との「つながり」を持ちながらも自分のスキルを確かめ磨くことのできる稀有な機会として、このプロジェクトを是非他の人に薦めたい。


3. このプロジェクトでよかったと思う3つのこと
 前述の部分といくつか重複してしまうが、良かった点として次の3つが挙げられる。まず、被災地を実際に訪れ人々との交流を持てたことである。「百閒は一見に如かず」の通り復興はまだまだ進んでいなかったことを実感する一方で、震災の被害に見舞われながらも前向きに生きる人々と交流することで、逆に自分がエネルギーをもらっていたことに驚いた。次に挙げられるのが、普段かかわる機会のない、多様性に富んだ学生たちと共に課題に取り組めたことである。他者が震災や復興についてどんな考えを持っていて、課題に対してどんなアプローチを提案するのかを知ることで、自分の見方に偏ることのない多角的な視点を身につけることができた。最後に、短期間ながらも充実したプログラム内容によって、自分のスキルを向上させ、成長する機会になったことである。もちろん英語が流暢に話せるようになった訳ではないが、自分から英語を話すことに対する抵抗がなくなった。時間がない中でできるだけ早く問題分析を済ませ、提案に向けて動き出す、といった問題解決能力や、統率するというよりもチームメンバーが強みを発揮できるように支援するリーダーシップの実践など、多くのことを吸収できたと思う。

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