2019年度 陸前高田プロジェクト参加学生レポート

森 有佐 もり ありさ さん(法学部 法学科 3年)

 
民泊でお世話になったホストファミリーと
(一番左が森さん)
  私が陸前高田プロジェクトを通して最も共有したいことは、実際に現地に行き、自分の目で観察して現地の人やそれをよく知っている人からお話を聞くことがいかに重要かということです。

 現地に行く前に学校での事前研修で、陸前高田について調べる機会があったのですが、調べていくと新聞の記事や市のホームページなどで陸前高田の情報を得ることできます。その内容の多くは震災における被害の規模や、震災後に変化した市民の方の生活などが書かれています。インターネットで検索すれば、これほどの内容を現地に行くことなく知ることができるのは、有益なことだと思います。しかし私は現地に行ってみて初めて、実際に行く前に見ていた情報が、陸前高田の「今」という点に欠けていたということに気が付きました。

 例えば、私たちが陸前高田にいる時はちょうど新しい道の駅が作られている最中だったのですが、陸前高田について事前に調べていたにもかかわらず、新しく道の駅ができるという情報に辿りつくことができていませんでした。被災地で今何が行われているのか、実際に足を運ばなければリアルな状況を知ることが出来ないのだと突き付けられました。建物が完成した後などはその事実が外へ発信されやすいですが、それまでの段階での経緯というものは大きく発信されにくいのだと感じました。

 
SOBA TEAM!のメンバーとしてビジター目線から
陸前高田の魅力をプレゼンしました。
 震災の被害がどのようなものだったかが伝わる建物や土地もこの目で見ました。津波の影響は想像していた以上のものでした。当時の波の高さは知っていましたが、津波の爪痕が今も残されている場所に訪れた時の衝撃は今でも忘れることができません。それまで自分がまだまだ他人事のように震災について考えていたのかもしれないと痛感しました。また、初めて被災地に訪れた私たち参加者の多くは今の被災地を見て、復興は思ったよりも進んでいないという印象を持つ人が多かったです。しかしこのプロジェクトで毎年陸前高田に来られているスタッフの方は、来るたびに復興は進んでいることが分かり被災地の状況は年々変化していることがわかる、とおっしゃっていました。現地の人にとって、復興は現在進行形であり、少しずつであっても確実に進められているのです。私はこのお話が印象的で、それを聞いた後、一度行ってその時の状況を知るだけでなく、もう一度訪れてその変化を見てみることが、さらに大切なのではないかと考えさせられました。そのためこのプロジェクトが終わった後も、陸前高田の「今」の状況に注目し続けたいです。

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