国連ユースボランティ​ア 活動レポート

モザンビーク  浜川 美希さん
(異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科3年)

2016年9・10月の活動レポート

2016年9月からモザンビークの国連ボランティア計画で活動中の浜川さんのレポートです。

Week1<< 2016年9月22日~9月25日

UNV(国連ボランティア計画)オフィス訪問
22日にモザンビーク・マプトに到着し、オフィスへ。私が所属するUNVは、UNDP(国連開発計画)の一室にあるという形なので、UNDPのオフィスで働くということを確認しました。到着時はすべてのスタッフが同じミーティングに参加していたため、ドライバーさんに言われるがままにミーティングに飛び入り参加し、空いている椅子に座らせてもらいました。 あと3週間ほどで離任すると発表していたUNDPの総合ディレクターの紹介により、私も急遽スタッフ全員の前で自己紹介をすることになりました。
2日目は、基本事項の登録をしたのち、大使館を訪問し、安全管理や防犯対策についての説明を受けました。

モザンビークの魅力
アフリカにいる、と思わせないような4日間でした。私がアフリカにいる五カ月で日本にいる人々に伝えられること、伝えるべきこととして、ここは多くの人の想像とは異なる場所だということがあるかもしれません。比較的恵まれているモザンビークのマプトだからかもしれませんがが、UNオフィスで働く人から欧米で働くよりモザンビークで働くのが好きという人も結構いました。最貧国とされているモザンビークをそのように捉える人がいるのは、モザンビークにしかない魅力があるということで、私もCommunication and Advocacy officerとして、そこも含めて発信するべきだと考えました。 また、マプトの人々はポルトガル語を話します。英語が通じる人もたくさんいますが、英語を話さない人も多くいて、彼らとのコミュニケーションがうまくいかないという事実にポルトガル語を勉強しようという意欲を掻き立てられます。
(写真:CAPULANAというアフリカの女性には欠かせない布)

Week2<< 9月26日~10月2日

業務開始!
広報物であるカレンダー、パンフレット、カレンダーの三つのニュアンスについて上司と打ち合わせを行い、自分でブレインストーミングしながら基礎案を練り出す作業に取り掛かかりました。 デザイン画を創り、これから必要な手順と物資を明らかにしました。 また、インターナショナル・ボランティア・デイ(以下IVD)に行われるイベントや日時などを決める会議を、青年スポーツ省とCNVというボランティア管理団体の方と行いました。 ここでもまた、ポルトガル語を真剣に勉強しようと思うきっかけとなりました。

防犯=荷物を減らす、ということの難しさ
上司から「危険を減らすためにはなにも持たないのが一番だよ」と初めの一週間にたくさん言われたので、今週は荷物を減らしていくことに意識してみました。 しかし、「カバンがあることの安心感」がないゆえにまだとても慣れません。オフィスの女性(スタッフを見るとみなさんカバンを持っているのですが、聞くと貴重品は分散して持っているそう)も見習いながら自分なりの防犯体勢を見つけていこうと思います。
(写真:オフィスの離任式の様子)

Week3<< 10月3日~10月9日

オリジナルイベントの考案
今週前半はカレンダーのデザイン決め・最終調整、パンフレットの内容決めなどを行いました。 カレンダーの製作もひと段落ついたところから、1月に与えられた自分でイベントを考えるチャンスについて考案を始めることにしました。 上司によりわかりやすくコンセプトを理解してもらうために、私が考えているイベント内容をワードにまとめて、写真を何枚も載せて、イメージしやすいものを作りました。

UNVの歴史を感じる
広報物のひとつであるパンフレットは三種類作ります。一般的なUNVのものと、UNV全体のAchievementと、UNV MozambiqueのAchievementに分かれています。これらのパンフレットの作成を進める中で、UNVの歴史の深さを感じることが多くありました。
ここにきて実際に国連の一員として働いてみると、ここで国連の仕事を動かしているのはすべて人間であって、彼らも自分の思いや生活を抱えてこの仕事に取り組んでいるのだと気づかされました。これから将来どこで働くにしても、人々とのコミュニケーションを大事にしていこうと思いました。
(写真:オフィスのお庭)

Week4<< 10月10日~10月16日

広報物製作の中に、2017年度のカレンダーを作る仕事があり、これが私の来てはじめての仕事でした。私の当初の構想では、Sustainable Development Goalsに向けたUNVの働きを伝えられる写真を選び、それの解説を兼ねたキャプションを付けようと考えていました。現地で働くUNVの姿ばかりではなく、むしろ受益者である一般の人々の写真を選んで提案しました。しかし、違った意見もあり、たくさん話し合ったうえで写真をすべて選びなおしました。

3週間かけたカレンダー完成までの過程で気づいたことがいくつかあります。それは組織で働くということ。自分の意向を反映させるためには上司が自分に近づけられるように説得すること、理解してもらうということ。また、疑問を持った時ははっきり伝えるのが大切だと思いました。カレンダーづくりの中で自分の思い通りにいかないこともあったけれども、その中で行われた組織内でのnegotiationの過程は貴重な信頼を気づく期間だとわかりました。
ここにきて実際に国連の一員として働いてみると、ここで国連の仕事を動かしているのはすべて人間であって、彼らも自分の思いや生活を抱えてこの仕事に取り組んでいるのだと気づかされました。これから将来どこで働くにしても、人々とのコミュニケーションを大事にしていこうと思いました。
(写真:私のオフィスの様子)

Week4<< 10月17日~10月23日

週末の過ごし方

ひとり暮らしのため、正直に言うと仕事がない時間はとても暇です。ポルトガル語を勉強したり、読書をしたり、ご飯を作ったりするのが通常の過ごし方です。しかし、最近は同じUNVやUNESCOの友達やポルトガル語のクラスの友達と出かけることが安定してきて、毎週週末に一人じゃたどり着けないような素敵なところに連れて行ってもらっています。日本では経験できないような場所や出来事をここで同じように働いている人たちと過ごせて、週末はとても充実しています。また、みんなの年齢が近いことから、不安に思っていることや悩みも打ち解けやすく、ラテン系ならではの発想で私の悩みを吹き飛ばしてくれます。

英語だけではできない仕事
ニュースレターの記事集めを行う上で、たくさんのUNVたちとメールでやり取りをしました。International volunteerと比べてNational volunteerはずっと多く、彼らも多くはポルトガル語しか話さない人です。過去の傾向として、一回の記事回収の呼びかけに対して2-3件の記事しか返ってこないそうなので、今回は特に力を入れて、英語だけではなくポルトガル語の記事でも問題ないと、英語とポルトガル語の両方でメールを書いて呼びかけました。その結果、一週間のうちに5件も記事が送られ、上司もとても興奮していました。

Week6<< 10月24日~10月30日

地方への出張
3日間マニカ州のChimoioに出張してきました。仕事内容は主に現地で働くUNVたちを訪問し、彼らの労働環境の調整や仕事内容についてのインタビューでした。以前からニュースレターの記事集めの際に連絡を取っていた人と実際に会えたので、彼らの記事についてコメントすることもできました。労働環境の調整にわざわざ現地に行く必要はあるのか、と疑問に思うこともあったのですが、政情の悪化による安全対策や給料の急な変更の対応など、電話やメールのやりとりだととても伝わり切れない内容ばかりで、これらの仕事の必要性を確認することができました。

また、二日目に近隣の村でのワークショップの際に、「本当のアフリカの姿」というのを見られたと思います。私が普段住んでいるマプトは発展した都市で、とてもアフリカとは言えないと人々が言う理由が解ります。大部分のアフリカでは、まさにこの村のような生活、もしくはそれ以下の生活を送っていると考えると、実際にその現場を訪ねることができたのはとても貴重な経験だと思います。この経験は、これから開発に関わる全ての仕事に「誰のために活動しているのか」という初心を思い出させることができるものになりました。たった3日間の出張でしたが、学ぶものは多くありました。また機会があれば地方に行きたいです。 (写真:ワークショップに参加したUNVとWFPのスタッフに皆さんと)

過去のレポート

■2016年9・10月
■2016年11月
■2016年12月
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