国連ユースボランティ​ア 活動レポート

モザンビーク  浜川 美希さん
(異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科3年)

2017年1月の活動レポート

2016年9月からモザンビークの国連ボランティア計画(UNV)で活動中の浜川さんのレポートです。

Week16<< 1月2日~1月8日

モザンビーク人のおもてなし精神
土曜日にMaracueneという近郊で農場見学とお食事会が行われました。モザンビーク人のお母さんが前日から仕込んでいたというキャッサバの葉をカニとココナッツミルクで煮込んだマタパという料理とグリルチキン、とうもろこしの粉でできた主食のシマに新鮮なサラダ、にんじんご飯と手作りケーキと豪華な料理を3人のためだけに用意してくれました。いつもこのようにたくさんの種類のおかずを食べているかと聞くと、「ゲストがいるから今日は特別」と答えてくれて日本のおもてなし文化と似ていると思いました。それにしても3人には多すぎる量で、「お持ち帰りにもどうぞ」とおかずやケーキを一通りボックスの中に包んでくれました。モザンビーク人はお金がないと動かないよ」とよく生活面でも仕事面でも聞いていたのですが、彼女のような素敵なホスピタリティを持っている人もモザンビークにはいます。お金がモチベーションになるのは、貧困で困っている人や国なら理解できることだけれども、そんな状況の中でも分かち合いをしてくれる人がいるのは貴重だと思いました。「ボランティアリズムなんてお金持ちがやること。貧しい人なんてほかの人のことを手伝う前に自分のことで必死だからボランティアできないからね。」と現地の人から聞いたこともあります。「ボランティアをしよう!」と呼びかける身としては衝撃的なコメントでした。お金と心持ちの関係についてたくさん考えさせられる日々を過ごしています。
(写真:農場のお母さんにその赤ちゃん。現地のお母さんたちみたいにカプラナで赤ちゃんを包んでみたいってお願いしてやってみたら赤ちゃんに大泣きして拒絶されました…)

Week17<< 1月9日~1月15日

大使館の社交場、新年名刺交換会
13日金曜日の12時から、日本大使館にて新年名刺交換会という名の新年会が行われました。「平服でお越しください」と書かれていたメールをよそに、参加者の方々はほとんどスーツやドレスを着ていて、カジュアルな服装でも特に問題はない国連オフィスには感じられない「日本人らしさ」を久々に目にしました。モザンビークに滞在した4か月の中でお会いした日本人の方々も参加されていて、私のことを覚えていて下さって声をかけてもらえたことがとても嬉しかったです。また、和太鼓イベントで一度お話したことがある水谷大使や大使館挨拶の際に対応してくださった丸橋参事官も声をかけてくださいました。たまたまツイッターで水谷大使が今月末、ご自身で執筆された本を出版することを知って、水谷大使に出版の話をすることができました。どうやら出版の話はまだ大きく公開されていないようで、その情報を私が知っていることに驚かれていましたが、立教生であることや国連ユースボランティアであることをお話することができた有意義な時間となりました。大使や参事官、JICA、商社、またその奥さんたちといった社会人たちがそれぞれの近況や社会問題について話し合っている現場に溶け込むのに精いっぱいで、すぐに時間は流れてしまいましたが、大人たちの社交の様子を知ることができた刺激的なイベントでした。
(写真:新年会で食べた日本食。モザンビークは海産物が入手しやすいので、エビフライやお寿司などは作りやすいそうです。大使からも「いっぱい食べてね!」といわれて、おいしくいただきました。)

Week18<< 1月16日~1月22日

UNV videoの編集とそれに対する思い
3人のUNVをインタビューして、彼らの動画を編集してきましたが、改めてUNVは何が特別なのか、UNVは何をするのか考え直す機会になりました。「国連でキャリアを築くための第一歩」と言う人もいれば、「自分の持つ技術や知識や情熱を誰かを助けるために使うステージ」と言う人もいます。通常の国連職員と基本的に同じ仕事をしているのに、「UNボランティアだから」と言ってUNボランティアとして下に見られることもあるそうです。数々の意見を聞いているうちに、ボランティアの意味についてわからなくなることもあります。

このビデオはモザンビークの国連ボランティアたちがどのような仕事をして、どのように貢献をしているのかを他の国連機関や国連ボランティア本部に見せることが目的とされています。率直な意見もたくさん含めたこのビデオが訴えるメッセージとは何かを考えると、国連ボランティアのすばらしさと共に矛盾点も見られます。このビデオを通して見えるのは、決してパーフェクトではない国連ボランティアの姿ですが、見る人が心を動かせるようなものにしていけたらと思います。 (写真:UNICEFで働くUNVのCremildo。彼にはポルトガル語で話してもらったので、字幕の編集が少し大変になります。帰り際にバナナを分けてくれた彼はとてもフレンドリーで明るい人です)

Week19<< 1月23日~1月29日

UNV videoの編集とそれに対する思い
27日金曜日に、SDGサッカーイベントが行われました。前回のイベントでは物品をそろえることやイベントの進行に大変苦労しましたが、今回はその経験を生かしてより効率よくイベントを実行することができました。何もかもを自分一人でこなそうとしたせいでイベントがなかなか進まず、自分も疲れてしまった前回からの反省で、今回は現地ボランティアを生かして役割を明確に分担しました。そのおかげでイベントもスムーズに進行でき、私にも写真を撮る余裕ができました。ボールの授与式から男子、女子による試合まで、二時間で終わらせられるか不安でしたが、無事に時間通りに終わらせることもできました。

さらに、現地ボランティアを起用したのは彼らにとってもボランティアを身近に感じる貴重な経験になったと思われます。中学生たちの前でプレゼンをする、SDGインフォーメーションブースで中学生たちの質問に答える、テント設営やTシャツ配布までさまざまな仕事をしてもらいました。イベントが終わった後も、「いい経験になった。他の学校でまたこのイベントをやりたいし、もっとボランティアに携わりたい」と感想をいただくこともできました。このイベントをきっかけに彼らが将来もっとボランティアを行っていくようになることも、このイベントの一成果ではないかと思います。
(写真:SDGサッカーボールの授与式。PO Benjaminは不在だったので私がUNDPオフィスの代表として授与しました)

過去のレポート

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