国連ユースボランティ​ア 活動レポート

東ティモール  久保満衣子さん
(経営学部国際経営学科3年)

2016年12月の活動レポート

2016年9月から東ティモールの国連開発計画(UNDP)で活動中の久保さんのレポートです。

Week10<< 11月28日~12月4日

IVD準備一色の一週間
物資の調達からミーティングのアレンジなど幅広い仕事をやらせていただいてます。IVD(International Volunteer Day)だけではなく普段の広報の仕事もしながらなので、うまく時間を使えるようにしています。物資の調達は自分が思っていた以上に大変であると感じています。国連は大きな組織なので、何かしようにも誰かの承認が必要です。それらを見越して動くことが大切なのだと感じました。具体的にはIVDイベント用にトロフィーやメダルを調達するために下見に行き、ショッピングモールにトロフィーとメダルのサンプルを注文し、上司に出来上がりを見せて相談しました。そのほかにもIVDの日にちが変更されたので、それを加味した書類の訂正やミーティングのセッティング、スポンサー探しなども行いました。IVDの日程が延期された分、その時間を使ってもっと準備を進めたいと思います。

タイスでものづくり
週末にはタイスマーケットに行ってティモール伝統の生地を買いました。(タイスは東ティモールの伝統的な織物です。)一つはパスポートや航空券が入るようなポーチを、もう一つはセレモニーなどで着れるようなタイスのドレスを作ろうかと思っています。日本にいるときはすでに形になっているものを買うことが多かったですが、東ティモールでは何か創作しようという意欲がわきます。実際に生地を売っているお店はとても混んでいたので、ものづくりが現地の人にも人気であることがわかりました。特に結婚式など正式な場できるドレスはオーダーメイドのようなものが多いみたいです。日本にいる時よりも買うときに創造力が求められます。
(写真:RCOオフィスが撮ってくれたWORLD AIDS DAYの写真です。)

Week11<< 12月5日~12月11日

クリスマスカード
とてもかわいくて、かつ東ティモールらしいクリスマスカードを見つけました。友達が作ったもので、とても気に入っています。東ティモールから日本に送れるか実験してみようと思います。何人かの知り合いに聞くと、50%で届かない確率があるらしく、届いても早くて2週間、または3か月かかった時もあるそうです。もちろんこれは紙のデリバリーの話ですが、よく自分が1日で日本から東ティモールまで来れたなと思ってしまいます。なので、一番早くて安心なのはこれから日本に行く方に郵便物をお願いするという手もあるそうです。また、バリ島まで東ティモールは近いので、バリから日本にものを送るほうが確実なのだそうです。郵便があまりにも当たり前になっていましたが、そうか、配達システムがここではまだ構築されていないのだと、はっとなりました。

誰が本当?
仕事上で、わからないことを聞いたとき相手が違うと返答も違うというときがありました。これはおそらくどの職場でもありうることなんじゃないのかなと思います。今回は物資の調達なんてしたことがないので、どうお金を払えばいいのかもしくは経費として後払いできるのかなどわからないことが多かったので物資の調達に詳しそうな同じオフィスの同僚、UNVなど何人かにアドバイスを求めました。すると返ってくる答えは違います。誰を信じればいいの!と思う気持ちは、日本でアルバイトしているときにも味わったので懐かしい感じも少ししましたが、ことがお金に関することなのでとにかくより多くの人、正確な情報を持ってそうな人にいろいろ尋ねました。判断材料を増やしておいて、最終的に上司に確認する、つまり粘り強く正確な情報を自分からつかみに行くことも大切であると感じました。
(写真:先週マーケットで注文したタイスのポーチが出来上がりました)

Week12<< 12月12日~12月18日

Global Applause for Volunteer
12月14日に、ついに今まで計画準備していたイベントが終わりました。参加者は総勢100名。UN house内の新しいミーティングルームを使ってボランティアと若者が対象となったイベントでした。特に普段違う機関に派遣されている国連ボランティア(UNV)がイベントで集い交流できたこともうれしい成果の一つです。もとから国連開発計画(UNDP)で企画され、入賞者の発表をこのイベントと合体させたSDGアートコンペティションとSDGユースアンバサダーではティモールの若者たちのパワーの強さを感じることができました。このイベントでは企画段階から携われたことでいろんなことを学べました。企画書作りから、ミーティングのセッティング、物資の調達や、時にはスポンサーの交渉まで行いました。大変なこともありましたが、周りの人を巻き込み、一人ではできないことでもこのように無事終えることができました。

目先のことに精いっぱいになりがちですが、ボランティアとは何か、自分は何をしに来たのかを問い直す機会でもありました。広報で働いていると他のプロジェクトも関わることもあるので、「支援とは、ソーシャルビジネスとは」など、ボランティアだけではない形でも考えを巡らせることがあります。しかし、改めてボランティアという自分の持っている能力や経験、知識を活かして他者のために動き、そこに自分の利益を追求しない姿勢はとても大切なものであると再認識しました。
(写真:イベント参加者と記念撮影)

Week13<< 12月19日~12月25日

東ティモールのクリスマス
クリスマスに馬小屋めぐりをしました。東ティモールはキリスト教徒が大多数いるので、イエスキリストが生まれたとされる馬小屋の飾りが町中のあちこちに作られます。手作りなのでそれぞれの馬小屋がユニークで斬新です。特に暑い国でサンタクロースがあたたかそうな服を着ながら、常夏の海をバックに佇んでいるのを見ると、なんとも言えない奇妙な感覚を持ちます。普段日本にいるとあまり意識しない宗教ですが、東ティモールではクリスマスにほとんどのお店が閉まり、人々はミサに集まります。サンタが子供にクリスマスプレゼントをするという習慣もなく、ティモール人の同僚ははっきりとサンタは信じていないと言っていたのが印象的でした。クリスマスイブにはインターナショナルな教会のイベントに参加し、病院で入院している子供たちにクリスマスソングをプレゼントしました。クリスマスが私の一番好きな行事ですが、クリスマスに入院している人たちがいることはこれまで強く意識したことはありませんでした。日本とは違うクリスマスを経験し、病院の子共たちに歌をプレゼントしたのも貴重な機会でした。宗教についても、そしてボランティアについてもいろいろ学んだ東ティモールのクリスマスでした。
(写真:東ティモールのサンタ)

Holiday週間
クリスマスが近いため休みを取る人が多くなり、広報の仕事も少しゆっくりになりました。忙しいわけではないので、自分のペースで落ち着いて仕事ができる反面、年末に向けての同僚とのランチの連絡や銀行に用事があったりなど違う面では忙しい一週間でした。ランチでは普段ゆっくりと話すことができない人たちと深く話すことができました。同じオフィスで働く同僚たちと、UNVたちと、などと時間をともにしました。ある環境問題について取り組んでいる同僚とは東ティモールの環境問題や人生のことについても話し合いました。インターナショナルな環境で働いて価値観が違うという場面にも遭遇しますが、それ以上に刺激をもらうことが多いです。私と違ってものすごく行動力のあるひとが多く、人とのつながりを大切にし、そして自分と向き合っている人たちが周りにいるので、毎日学んでいることがたくさんあります。

Week14<< 12月26日~1月1日

ウェブ記事投稿
一言でウェブの記事文章を作成すると言っても様々です。自分が企画段階から関わっているイベントについての記事、現場には自分が行っていないイベントやプロジェクトの記事、記事文章がプロジェクトチームによって既に用意されている記事などその時と場合によります。また、その内容がどんなものかでウェブ記事の選ぶテンプレートが変わってきます。そうしたマニュアル本がオフィスに置いてあるのでわからなくなったらまずそれを読みます。それでもわからない場合は同僚に聞いて問題を解決します。今回の記事は環境問題に関連したひとつの取り組みについて記事を書くことになりました。文章は用意してありますがその文章をぱっと読み取り、UNDPにおいてどの立ち位置にあるイベント、プロジェクトなのか把握することの難しさを痛感しています。また、自分で記事を書くときは英語の表現の豊かさや語彙力、言い回しなどはやはりまだ勉強しなければならないと感じるところです。

東ティモールのお正月
東ティモールのお正月はもちろん日本とは異なります。いたるところで花火が打ちあがり、どこかで大音量の音楽が流れ、バイクの走る音は深夜まで鳴りやみません。また、クリスマスソングは町中に流れ、クリスマスのオブジェもそのまま飾ってあります。私は暑いだけで年越しという感覚はしませんでしたが、ティモール人は家族と過ごすため自分の出身の地方に帰ってしまっていたので首都のディリはかなり人が少なく、31日は閉まっているお店がほとんどでした。年越しは国連の同僚と一緒に鍋やBBQを楽しみました。蕎麦を食べたり、テレビを見たりの時の過ごし方ではない年越しは新鮮でしたが、ティモール人が家族親せきを大切にしていること、何より自分たちの時間を大切にしていることが分かりました。
(写真:年越しの花火です/photo credit: Joanna)

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