国連ユースボランティ​ア 活動レポート

東ティモール  久保満衣子さん
(経営学部国際経営学科3年)

2017年2月の活動レポート

2016年9月から東ティモールの国連開発計画(UNDP)で活動中の久保さんのレポートです。

Week 19<< 1月30日~2月5日

投稿。投稿。
今週はソーシャルメディアの投稿の毎日でした。先週、出張に行ったので、それについてFacebookとTwitterで読者にわかりやすい文章を考えて、改めて足りない情報の収集、写真の選定、文章の執筆、そしてドラフトが完成し上司のOKが出たら、実際に投稿する流れでたくさん更新しました。また、Webサイト運営はテクニカルな問題を解決しながら、UNDPガバナンスユニットの新しいニュースレターの更新と情報発信を行いました。同時並行でWebサイトへ載せる記事の執筆、出張レポートの執筆、現地インターン生のサポートなど、幅広く業務をこなした一週間でした。以前よりもできる仕事の範囲が広がったので、同時に複数のタスクをこなす機会が多くなりました。それぞれの進行具合を把握し、次にこれ、その次は、と優先順位を付けて仕事をできるようになったのはうれしい成長です。

旅行
2日間マウベシという地域に旅行に行きました。NGOに連絡を取り、コーヒー農園の見学をさせてもらえることになり、また環境面と経済面で持続可能な発展を目指す団体のGreen Schoolにも向かいました。マウベシは花とフルーツが有名な観光地らしく、その言葉通り様々な植物が生えていました。NGOのコーヒー以外の事業の中でも女性へアプローチしている事業は面白く、現地の女性グループがいくつかの失敗をしながら、現在はハーブティーの葉を生産、販売するようになったのです。Green Schoolも創始者がパワフルな女性で圧倒されました。残念ながら、東ティモールでは女性の地位が低く見られるのが未だ問題です。ただ、彼女たちのようなたくましい女性の姿を見て、とてもインスパイアされました。コーヒーも興味深く、実際に生産者に会い、現状を知り、その中でNGOがどのような働きをしているのかも勉強になりました。国際機関とNGOの役割の違いが垣間見られた旅行でした。
(写真:運よく東ティモールの話題の芸能人に旅行先のGreen Schoolで会いました。真ん中の女の子が貧しい家庭出身で、インドネシアの歌のオーディション番組で一気に有名になったティモール人です。私の左にいるのはGreen Schoolの創始者です)

Week 20<< 2月6日~2月12日

熱でダウン
風邪で熱を出していました。寒気、倦怠感、頭痛、鼻水、咳など風邪の症状でしたが、高熱がなかなか下がらなかったので、デングとマラリアの検査をしました。どちらも陰性だったので安心しました。海外での特に発展途上国での病気は心身共に疲れます。東ティモールでは邦人が安心して受けられる病院はなかなかないとされ、その中でも外国人が利用するような英語の通じる病院はとても高い値段を請求されるので、保険に入っておいてよかったなと思いました。

今回の熱は、最初破傷風かなと思い、症状が全く違うので、まずはひと安心。その次に思い浮かんだのがデング熱。東ティモールにいる邦人も何人か感染したことがあり、最近大使館から注意喚起のメールも来ていたので、デングの症状について詳しく調べてみるとほとんど一緒でした。病は気からというのか、もしデングだったらどうしようという不安に駆られ、薬が切れるとまた高熱という状態が続き、デングではないと検査でわかると熱はどんどん引いていきました(もちろん日にちが経つごとに自然に下がっていったのだと思いますが)。知り合いにもデングに感染したことのある人がいたので、別にすぐに死んでしまう重い病気だとは思っていませんでしたが、デング出血熱だったらどうしようだとか、いろんなことは考えていました。

結局、デングでもマラリアでもなかったので病院代が弾んだだけで終わりましたが、改めて健康でいられることへの幸せを感じました。また、周りの人からも何かあったら言ってね、と優しい言葉もかけてもらって、恵まれた環境にいることに感謝しました。休んでいる時は、仕事に行かなきゃという思いが強かったのですが、組織というのは私一人がいなくても回るわけで、それを悲観的に見るのではなく、組織がそれとしての役割をちゃんと果たせているものとして学びました。もちろんいろんな記事の投稿に時間がかかってしまっているのは事実で、周りに大きく迷惑をかけてしまったと思いますが、上司や同僚の協力を得ながら休ませていただくことができました。
(写真:記録の代わりにずっと体温計の写真を撮っていました)

Week 21<< 2月13日~2月19日

仕事と送別会
今週も自分で考えて行動ができた1週間に思います。例えば、UNDPの長い記事の投稿はいつも文字がいっぱいのウェブを使っていますが、そうではなく写真が中心のサイト、Exposureへアクセスがうまくできないとなった時に、サイト運営者に直接メールでやり取りをして、アクセス権を復活させてもらいました。また、UNDPのFacebook上でソーシャルビジネスチームからのアンケートに答えてもらうための投稿で、写真も何もなかったので、私から上司に提案し新しくイメージをPhotoshopで編集し、投稿しました。上司も私がこうしたらどうかという提案に耳を傾けてくれる人なので、自分がこうしたらいいんじゃないかと考えて行動することが楽しいと感じるようになりました。その中でも自分が突っ走るのではなく、上司や同僚とコミュニケーションをしっかりと取り、確認することが大事であると学んでいます。

UN Volunteer Performance Assessment レポートを終わらせました。シンプルな質問でしたが、今までを振り返る良い機会になりました。私が担当している仕事はどんなもので、何をしてきたか、そして上司の評価も入るので。総合的に自分がどのように働いてきたかを確認しました。上司がこんな風に自分の働きを見てくれているのだと気づかされました。また、同僚が送別会を開いてくれました。東ティモールの国連のトップや、カントリーディレクターなど錚々たるメンバーが私の送別会に来てくれました。みんながそれぞれにスピーチをして素敵な送別会でした。立教のプログラム視察で来ていた島田さんにもスピーチをしていただきました。
(写真:送別会の様子です)

Week 22<< 2月20日~2月21日 最終回

任期終了
国連内の送別会が先週の金曜日にあったからか、今週会った職員からは、「あれ、まだいたんだ」と言われることが多かったです。そもそも、もう終わってしまうのかと実感のなかった私ですが、引き継ぎ文書作成や、任期終了の手続きを進めていると、やっと、「ああ、もう終わりなんだ」と少しずつ思うことができました。

東ティモールに知り合いが一切いない1人の学生が、そこでの生活を始め、そして仕事をするのは、周りからのサポートなしでは考えられないことだと改めて感じました。今までのティモールでの生活はどうだったかと聞かれ、答えていると、自分が思っていた以上にティモールに馴染んでいたことがわかりました。もちろん簡単なことばかりではありませんでしたが、周りの人から聞く興味深い話、日本人として聞かれる質問、そして人生相談など、これまでにない刺激的な毎日だったと思うことが多々あります。

UN house内の綺麗に手入れされた植物たち、オフィスの屋根にガコンといつも大きな音を立てて落ちていく果実たち、最もそこで働いている国連の先輩方・インターン生が、とても恋しく、こんな素敵な環境に囲まれていたのだと感じています。上司からはもう少し任期を伸ばすことはできないのかとも聞かれました。私自身、生活と仕事に慣れてきた頃に任期終了となってしまったので、残りたい気持ちもありました。しかしながら改めて国連で働かせていただくという貴重な経験を、学部生でありながらその機会に恵まれたこと、そのシステム構築とサポートしてくださった方々、私のやりたいことに理解を示してくれた家族に感謝しながら、次のステップに活かせるような努力を惜しまないようにしたいと思っています。
(写真:ティモールのきれいな夕焼けが恋しいです)

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