国連ユースボランティ​ア 活動レポート

東ティモール  久保満衣子さん
(経営学部国際経営学科3年)

2017年1月の活動レポート

2016年9月から東ティモールの国連開発計画(UNDP)で活動中の久保さんのレポートです。

Week 15<< 1月2日~1月8日

あと2か月
気が付けば残りの任期は2か月もありません。あっという間です。だんだんと仕事に慣れてきてはいますが今は周りで有休を取っている人が多いので去年ほどの忙しさではありません。その分自分で考えて動かなければならないのですが。仕事は主に何かイベントのサポートを頼まれれば写真を撮りに行き、TwitterとFacebookを更新することです。ある意味ルーティン化しているとも言えるので、一つの仕事に対して誠意を持って働くこと、また新しい課題がないか常に考えて動くことが大切だなと感じています。ただルーティン化した仕事でも、写真を撮るのも構図、光の入り具合、一眼レフの調節、シャッターのタイミングなど良い写真を撮るのに、ひとつひとつの瞬間に緊張します。あとから撮り直しができないからです。顔が切れているのはNG、いらないものが入らないように、でも構図を大事にして…。いろんなことを考えながら、一瞬を捉えるのに必死になっています。Twitter、Facebookも公式にUNDPとして発信するものなので、情報を間違えてはいけないですし、限られえた語数の中で適切な言葉を使わなければなりません。仕事は慣れたとしても、ひとうひとつはまだまだ緊張感が残ります。生活面でもだいぶ慣れてきました。
(写真:オフィスでの仕事風景です)

ティモール人の友達
ティモール人の友達ができました。私のテトゥン語はまだまだなので英語が喋れるティモール人だとコミュニケーションが取れて助かります。リリーという19歳の女の子で、共通の友達を介して知り合いましたが、話を聞くとお父さんは70歳で、2年前に母親を亡くしています。それでも彼女とその家族は本当に明るく、過去にとらわれてはいけない、大事なのはこれからだと言っていた彼女の言葉が印象的でした。高校卒業後、英語の学校に通い、これから大学生になるそうです。日本と違うことがいっぱいで彼女の話を聞くのがとても楽しく勉強になりました。彼女の家に行ったときは丘の上にあってその子のお父さんや兄弟にも合うことができました。その中でも姉はオーストラリア人と結婚し、英語が堪能です。将来は貧しい子でも通うことのできる英語の学校を作りたいと話してくれました。違う丘に登った時には彼女の友達に会い、スポーツが好きでオリンピックに出ることを目標にしていると話してくれました。ティモールの生活とはどんなものなのか、どんな人柄なのかをもっと知ることができてうれしかったです。

Week 16<< 1月9日~1月15日

Farewell party
同じオフィスで働く同僚の一人が国連の仕事を終えるので、お別れ会を企画しました。特に同じ国連ユースボランティアとして香港から来ている子だったので、とても寂しくなります。数日前から少しづつ準備はしていましたが、前日と当日は忙しくしていました。会場の予約と誰を招待するか、プレゼントは何をあげるかなど、上司が忙しそうにしていた分、私が本人にある程度コンタクトを取りながらパーティーを計画していました。当日慣れない司会をしたのはこれからも忘れないと思います。物資調達は車を手配してタイスマーケットやスーパーに向かいました。このパーティーを開く前にはランチを食べながら、彼女と将来についても語り合いました。どんな職業に就きたいか、これからどうするのか、大学院は行きたいかなど、等身大で話していてとても勇気づけられました。同じ国連ユースボランティアがまた一人帰国してしまうのは寂しいことですが、次に進むためにお互い励まし合いながらお別れ会を開催しました。
(写真:同僚のfarewell party)

ティモールの誕生日会
ティモール人の友達の姪っ子の誕生日会に誘っていただいたので、参加してきました。方向音痴で、迷いながらですが家にたどり着きました。開始時間は13時でしたが、ここはティモールですので、始まったのは15時半ころだったと思います。始まるまでバースデーガールの双子の女の子たちと遊んでいました。最初こそシャイでしたが、いったん慣れるとくっついて回ります。実際この双子はティモール人とオーストラリア人のハーフで英語しかわからない子たちだったので、私にとってはコミュニケーションが取りやすかったと言えます。パーティーが始まると親戚中からプレゼントをもらい、最後に姪っ子にとってはおじいちゃんがタイスを二人に渡してから、写真撮影に入りました。歳が一番上の人をとても敬い、小さい子供たちを大切にしている文化が伝わりました。それにしても、とてもこの双子がかわいかったです。

Week 17<< 1月16日~1月22日

自分で仕事をつくる
仕事を待っているだけではなく、自分から行かないと、と最初から構えていましたが、ようやく見えてきたことは柔軟に動くことです。最初に思っていたのは、自分から企画しないと、自分から新しいことを始めないと、という気持ちでした。しかし、私が働いているUNDPの広報のオフィスに行き交う人は多く、特に私の上司もいつもたくさんの仕事を抱えています。その中で自分のやりたいことを通すのは簡単ではないですし、合理的でもありません。だからと言って、仕事を頼まれるのを待っているのとは違います。私の場合、周りと協調しながら、自分にできることをするのが重要だと感じました。今週は政府のSDGに対するプレスリリースをUNDPの広報で発信してもいいかを上司に聞いたり、新しい広報のプロジェクトで渡された資料を自分で再考し、何が足りないのか、どのように段取りを踏むのかなどを見やすく文書にまとめるなどをしました。ふと振り返ると、これらは上司に頼まれたことではないけれど、上司が忙しくしている中で自分がこうしたらいいのかもしれないという感覚をつかんで動いていたのかと気づきました。自分主導で企画できたことは多くはありませんが、少しずつ成長しているな~と実感した1週間でした。

環境に配慮されたストロー
サトウキビで作られたストローや袋など、東ティモールには珍しい、環境に優しいものをカフェで見つけました。ティモールでは物は捨てれば土にかえるという考えがあるのか、ペットボトルでもなんでもそこらへんに捨てる人が多いです。最近はごみの置き場のボックスがやっと取り付けられた模様で、それまでは低い垣根で囲った場所にたくさんのごみが捨てられているのを目にしていました。生活が発展していくのと同時にごみに対しての教育や意識改革が必要であると感じました。言葉で言うのは簡単ですが、教育一つ取っても問題が少なくないので、すぐにできることではありませんが、環境問題に対してはこのようなカフェの取り組みが広がるといいなと思っています。
(写真:サトウキビで作られたストローをカフェで見つけました)

Week 18<< 1月23日~1月29日

出張
今回はエルニーニョプロジェクトとSmall Scale Rural Infrastructure (SSRI)プロジェクトで遠い地方に出張しました。前回のエルニーニョプロジェクトの水インフラ設備建設セレモニーで訪れた場所に、建設完成のセレモニーで同じ土地に訪れるのは新鮮でとても感慨深いものでした。一方SSRIプロジェクトは初めて関わるものだったので、楽しみにしていました。

今回、いつもの出張と違ったのは、東ティモール国連常任代表、いわば東ティモールの国連の代表が、乗っている車は違えど出張に同行されたことです。また、現地コミュニティの人々にプロジェクトについてインタビューするのもいつもとは違うことでした。私のテトゥン語はそこまで流暢ではないので、ティモール人のインターン生と協力してインタビューを行いました。あらかじめインタビューの質問リストを作り、レコーダーも用意しました。インターン生が質問している間に私はすかさず写真を撮るという流れです。道がぬかるんで、長い距離を歩いたことはなかなかない貴重な経験でした。もちろん舗装されている道ではなく、また上り下りが急な個所もあり、サンダルを履いていた私はグリップがきかず、滑って上り下りが大変でした。そのうちサンダルは壊れ、裸足で歩かなければならない状況だったので、裸足になるとそこらへんに転がっている石が痛くて、改めてティモール人を尊敬しました。帰ってくると足裏は傷だらけで、破傷風の心配もあったのですぐに消毒液で患部を洗浄し、絆創膏を大量に貼りました。これもなかなか面白い経験で、終わってみると一緒に出張した人らで笑いながら調子はどうだと声を掛け合うようになっていました。
(写真:出張時の仕事の様子)

過去のレポート

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