国連ユースボランティ​ア 活動レポート

 トルコ   野水 綾さん
(法学部 政治学科 3年)

2024年9・10月の活動レポート

2024年9月からトルコのUN Womenで活動中の野水さんのレポートです。

2024年9・10月 

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Istanbul Development Dialogueでのディスカッションの様子

派遣先機関について
私は、トルコのイスタンブールにあるUN Womenヨーロッパ・中央アジア地域事務所で、5か月間、大学生ボランティアとして活動します。UN Womenは、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのために活動する国連機関です。女性のリーダーシップと参画、女性に対する暴力の廃絶、平和・安全保障のあらゆる局面での女性の関与、女性の経済的エンパワーメント、国家の開発計画と予算へのジェンダー平等の反映、といった5つの活動領域で優先的に取り組んでいます。私が派遣された地域事務所は、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ウクライナの各国事務所に支援と監督を提し、コソボ、セルビア、北マケドニア共和国、タジキスタン、トルコにおけるプログラムやプロジェクトを直接支援しています。

一か月目のボランティア活動
私の主な活動内容は、世界的なジェンダー平等を促進するための「災害に対する女性の回復力(women’s resilience to disasters)」分野で、計画、アドボカシー、コミュニケーション、パートナーシップの構築に携わり、知識、能力、支援を向上させること、ジェンダーに配慮した災害リスク削減と気候変動への対策を支援することです。

具体的に10月は、災害管理および環境政策に関するブリーフィングの作成、災害準備ツールに関する情報の収集、災害リスク軽減(Disaster Risk Reduction)の分野で今年行われた市民社会との知識交換についてのまとめの作成を行いました。これらの活動を通して、ジェンダーに配慮した災害リスク削減(DRR)や気候に関する知識の管理と共有、政策対話やプロセスに必要な情報を提供します。

また、国連が主催する、様々なイベントにも参加ました。例えば、Istanbul Development Dialogueの”Investing for Gender Equality and Inclusive Climate Action”では、政策立案者や学者との対話を通じて、気候変動とジェンダー平等に関する多様な意見を聞きました。特に「女性、気候、平和」に関するディスカッションセッションでは、小グループに分かれ、女性と女児の権利や安全に関する重要な問題、具体的な行動計画、必要な支援について議論し、女性は気候変動の影響を受けやすいこと、特に資源へのアクセスや安全保障の問題が女性の生活に及ぼす影響について理解が深まりました。また、これらのイベントに参加することは他国や異なる機関の人々との貴重なネットワーキングの機会を得ることができ、私の視野を広げ、今後の活動へのモチベーションを一層高める良い機会となりました。

トルコでの生活
オフィスが位置するイスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んでアジアとヨーロッパの両方にまたがる文化の交差点です。トルコ最大の都市であるイスタンブールは、かつてのコンスタンティノープルとして知られ、ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国の三大帝国の首都として常に歴史の中心に位置してきました。市内には、ビザンツ帝国時代の壮麗な建築物やオスマン帝国の荘厳なモスクが数多く存在します。特にアヤソフィアは、キリスト教正教会として建設され、ビザンツ帝国時代には重要な宗教的中心地となり、オスマン帝国の時代にはスルタン(絶対的な権力者)が金曜日の礼拝に訪れるなど、時代ごとに様々な形で変容してきました。

食文化においても、アジアとヨーロッパ文化の影響を受けています。日本ではトルコ料理というとケバブとトルコアイスで有名ですが、実際にはそのバラエティと風味の豊かさに驚かされます。特に印象的なのは、トルコ人はパンを本当にたくさん食べることです。トルコ人はお米も食べますが、朝も昼も夜も、おやつにもパン。家庭料理のレストランは、パンが食べ放題であることが多いです。また、トルコ料理にはヨーグルトが頻繁に使用されています。ヨーグルトをそのまま食べるだけではなく、料理の材料として、調味料として、デザートとして、飲み物として、楽しまれています。 イスタンブールは歴史的背景から生まれた多様な文化が融合する魅力的で美しい都市ですが、渋滞や歩きタバコ、自動車の排気ガス、英語表記があまりないこと、そして坂の多さなど、生活の中で不便に感じることも少なくありません。こうした場面で日本との違いを実感し、改めて日本は住みやすい国だなと感じます。

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アヤソフィアの外観。ビザンツとオスマン建築が融合し、歴史の重みを感じさせる
​イスケンダル・ケバブ。ピタパンの上にあぶり焼きにした羊肉をのせて、トマトソース、溶かしバターをかけ、ヨーグルトを添えた料理

過去のレポート

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