国連ユースボランティア 活動レポート
2025年1月の活動レポート
2024年9月からトルコのUN Womenで活動中の野水さんのレポートです。
2025年1月
ヨーロッパ・アジア地域におけるジェンダーに配慮した災害リスク軽減の推進: 仙台防災枠組のジェンダー行動計画

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仙台防災枠組ジェンダー行動計画(GAP)のオンライン会議に向けてのミーティング
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UN Womenヨーロッパ・アジア地域事務所が主催し、仙台防災枠組(※)ジェンダー行動計画(GAP)に関する認識を深め、知識の交換や今後のロードマップについて議論する場を提供することを目的として、このオンライン会議が開催されました。パートナー間で優先事項を確認し、地域を越えた交流を促進することが重要な目的となっています。
ジェンダー行動計画は、UN Women、UNDRR、UNFPAの協力により立ち上げられ、仙台防災枠組2015-2030の実施を支援するものです。この計画は、ジェンダーに配慮した災害リスク軽減(DRR)の実現を目指し、女性のエンパワーメントとリーダーシップを積極的に支援・促進することを重視しています。最終的な目標は、ジェンダーに配慮した災害リスク軽減のためのリソース配分、活動、影響を大幅に増加させ、2030年までにジェンダーに関連する防災リスクを劇的に削減することです。
会議の準備において、私はZoomリンクの作成、参加者リストの作成、会議中に使用するスライドの準備、Zoom投票の管理などを担当し、会議の進行をサポートしました。 会議では、ジェンダー行動計画に関する活発な議論が行われ、主要なステークホルダーとのパートナーシップが明確化されました。また、アジア太平洋地域のステークホルダーからは、ジェンダー行動計画の実施を通じて得られた貴重な教訓や経験についても共有されました。この会議を通じて、アジア太平洋地域のステークホルダーとのパートナーシップがさらに強化され、今後の協力に向けた基盤が築かれました。
(※)仙台防災枠組(2015-2030)は、日本の仙台で開催された第3回国連防災世界会議で採択された国際的な防災指針です。災害リスクの削減と新たなリスクの防止を目指す7つの目標と4つの優先行動を示しています。具体的には、(i) 災害リスクの理解、(ii) 災害リスクガバナンスの強化、(iii) レジリエンスのための災害削減への投資、(iv) 効果的な災害対応のための準備の強化、そして「より良く復旧する(Build Back Better)」という理念を掲げています。
NGO訪問
立教大学関係者が現地の安全と業務確認のために視察にいらっしゃいました。視察に伴い、Save the Children のNGOパートナーを訪問する貴重な機会をいただきました。このパートナー団体は、難民や移民の人権保護と促進を目的として活動している団体です。訪問した現場では、教育や医療の提供、就労支援、心理的ケアなど、多岐にわたる支援が行われていました。印象的だったのは、難民自身が自立した生活を送れるよう支援する「持続可能な支援」の姿勢です。特に、"Job and Career Support Project"(職業・キャリア支援プロジェクト)を見学した際には、支援を受ける側が主体的に未来を切り開くことを支える姿勢に、真の意味での「持続可能な支援」を感じました。
私はこれまでは主にオフィス内での業務に従事し、政策やプロジェクトに関して資料を通じて学ぶことが中心でした。しかし、今回の訪問では、実際の現場で行われているプロジェクトを見聞きし、支援を受けている人々の姿を目の当たりにすることで、私自身が今後どのように関わり、どのような形で貢献できるのかをより具体的に考えるきっかけとなりました。特に、机上の学びだけでは捉えきれない現場の課題や、支援を受ける人々の生の声に触れることで、支援の具体的な在り方や政策の実施が人々の生活に与える影響をより深く理解したいと感じるようになりました。これから、こうした現場での経験を積むことで、理論と実践のギャップを埋め、将来的にはより実効性のある国際協力に貢献していきたいと強く思います。今回の訪問を通じて得た学びは、単なる知識の習得にとどまらず、自分自身の行動へのモチベーションを大きく高めるものとなりました。
カッパドキアでの年越し
年末年始はトルコ中央部にあるカッパドキアで過ごしました。カッパドキアは、イスタンブールから飛行機で約1時間半の距離にあり、火山活動と風雨の浸食によって生まれた奇岩群や岩柱が点在し、熱気球や洞窟ホテルでの滞在が楽しめる観光地として知られています。朝日に照らされた空を浮かぶ熱気球の中から見渡す壮大な景色は、言葉を失うほど美しく、まるで夢の世界にいるかのような感覚でした。 また、カッパドキアには古代ヒッタイトやローマ帝国時代のキリスト教徒が暮らし、岩をくり抜いた住居や地下都市を築きました。ギョレメの岩窟教会では、美しいフレスコ画が今も残り、当時の信仰と文化を感じることができます。 トルコでは新年を盛大に祝う習慣はあまりなく、観光地も比較的静かで、落ち着いた時間を過ごすことができました。
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冬休みに訪れたカッパドキアの奇岩と熱気球からの眺め
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過去のレポート
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■2025年1月
■2025年2月(最終回)
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