国連ユースボランティ​ア 活動レポート

カザフスタン  成田 好さん
(社会学部 現代文化学科 3年)

2019年11月の活動レポート

 2019年9月からカザフスタンの国連常駐調整官オフィス(UN RCO)で活動中の成田さんのレポートです。 UN RCOについての紹介はこちらをご覧ください。

Week 6<< 10月28日~11月3日

動画制作
11月1日に開催される国連の日を祝うイベントで動画制作を任せていただくことになりました。主に国連側が事前に作ったビデオにロシア語の字幕を付けることと、国連職員やその知り合いの家族である子どもたちにとって国連とはどのような組織なのかをインタビューしたものをまとめる動画を制作しました。私は大学の授業で動画制作をした経験はありますが、求められているものや規模が全く違うだけではなく、ロシア語・英語の字幕が必要だったので正直不安なことばかりでした。しかし同じくUNV(国連ボランティア)として働いている同僚や上司からのアドバイスのおかげで無事作り上げることができました。インタビューに協力してくれた子どもたちの家族やイベントに来てくださったゲストの方々が喜んで自分の作った動画を見て下さっていたので、携わることができて本当に良かったと感じました。          

  SDGsフォトフレーム
さらに今回、国連の日に関する様々なもののデザインを任せていただきました。デザイン案を提出する際には自分が思いつく様々なアイデアをできるだけ提案していましたが、国連という大きな組織には一つ一つのマークや配色に厳しい決まりがあり、なかなか採用してもらうことができないことも多くありました。その中で私のアイデアをそのまま使ってもらうことができたのが来場者用のフォトフレームです。SDGs(持続可能な開発目標)という国連にとって大きな目標をみんなで共有できるようにと作りましたが、ゲストの方々がそこで写真を撮っていたり、自分自身もRCO(国連常駐調整官オフィス)の同僚やUNVの皆と写真に収まることができました! 少しでもSDGsが身近なものになれば嬉しい です。

(写真左:UNVのみんなとフォトフレーム前で撮影)
(写真右:細部にまでこだわった会場の様子)

Week 7<< 11月4日~11月10日

UN day のフィードバックミーティング
月曜日にUN dayのフィードバックを兼ねてRCO(国連常駐調整官オフィス)チーム内でミーティングが行われました。それぞれこのイベントをふまえてどのようなことを感じたのか、また気づいたことなどをディスカッションしていきました。私たちが作成した子どもたちを特集したビデオやフォトフレームなどを下村代表や同僚に褒めて頂けてとてもうれしかったです。さらに来年は国連にとって75周年というビッグアニバーサリーの年になるのでどのような部分を引き継ぎ、さらには改良するべきなのかが重点的に話し合われました。自分たちが成し遂げたものに満足するのではなく、さらにより良いものを目指して細かいところまで振り返る姿勢は見習わなければならないと実感しました。

新たな企画
UN dayが無事に終わりほっとしたのも束の間、年末までに新たな仕事がたくさんあります。国連の日は主にステークホルダーとなっている方々とさらなる発展を願い国連の誕生を祝うものであるため、国連職員を全員招待することができませんでした。そのため現在取り組んでいるのは普段国連のために働いている職員を労り、さらにスタッフ同士の親睦を深める目的で、UN Staff day と呼ばれるタウンホールミーティングの開催です。これは主にナショナルボランティアである同僚と二人で進めていくので、自分のアイデアをたくさん出しつつスタッフに喜んでもらえるような企画になるようにしていきたいです。

UNCTミーティング
各エージェンシーの代表が集まるUNCT(UNカントリーチーム)ミーティングにRCOはチーム全員で参加します。このミーティングではこれから先五年の国連の指標となるコーポレーションフレームワークというものを作成しています。国連改革が行われ、RCのポジションが変化してから最初の五年となるので、下村代表がリーダーとなって何をどのようにどの言葉を使って記載するのか話し合われます。専門用語などもあり、話をつかむのにはとても苦労しますがこのコーポレーションフレームワークを作成する場面に立ち会えていることはとても貴重に感じます。

Week 8<< 11月11日~11月17日

SDGsサミット
アスタナと1200km(東京と京都ほどの距離)離れた旧首都であるアルマトイに出張に行ってきました。このサミットはThe First Regional Summit on Financing the Sustainable Development Goals(SDGs実施における資金調達に関する地域サミット)という名前の通り、UNDP(国連開発計画)、ADB(アジア開発銀行)の協力のもとカザフスタン政府により開催されているため、私もこの期間だけUNDPの一員として参加させていただきました。RCOとしてイベントに参加している時とは全く違っていて、アスタナからアルマトイに行くのも、どのような仕事を担当させてほしいかなどの交渉もすべて自分でやらなければならばならなかったので大変な面もありました。しかしUNDPとして今までとは違う視点からサミットの運営について考えたり、RCO(国連常駐調整官オフィス)で働いているからこそ、それぞれの機関を客観的に見ることができるのだと再確認することができました。さらにはSDGsを用いて国連外の組織とどのようにつながり、協力してよりよい社会を目指すことができるのかなど学ぶことができました。このような貴重な機会を与えて頂けたことに感謝し、RCOで働く際にも吸収したことを心がけていきたいです。
(写真:SDGsサミットにてゲストの方と学生ボランティアと)

学生ボランティア
アルマトイにはUNV(国連ボランティア計画)という機関がなく、現在UNボランティアは私と同じプログラムで派遣された日本人一人となっているため、イベントなどでボランティアが必要な際には近隣の高校生や大学生に参加してもらうシステムになっています。そのためサミットが始まるまでの準備やサミット当日のゲストの案内などは学生ボランティアとともに行動し、サミット中はUNスタッフとして動いていました。どちらの仕事も経験することができ、さらには学生ボランティアやUN Staffとたくさん話し、とても良い時間を過ごすことができました。

アルマトイ観光
先述したようにアルマトイには関西学院大学から派遣されている友達がいるので久しぶりに話したり、食事をして一緒に時間を過ごすことができました。自分たちの近況やこのプログラムを通してどのようなことを感じているかなど共有することができたのでとても嬉しかったです。同じプログラムでも配属された部署や周りの環境によって大きく異なりますが、私たちはお互いにカザフスタンでの生活を楽しむことができていると実感しました。さらにアルマトイにあるロシア正教会の建物やアスタナにはないきれいな山峰を見ることができたのでまた訪れたいです。
(写真:ロシア正教会のゼンコフ教会にて)

Week 9<< 11月18日~11月24日

カレンダー・New Year card制作
New Year cardとともに毎年ステークホルダーの方々にプレゼントするカレンダーのデザインを担当しています。前年のデザインや形などとは異なるように工夫を凝らしています。国連は一つ一つのマークなどを使うことに厳しいルールがあり、制作しながら私自身とても勉強になります。さらにカレンダーは一般の方々に国連としての活動を広める大切な機会であるので各エージェンシーから写真を集め、国連に新たに興味を持ってもらえるようなものにしたいと考えています。

SDGsワークショップ
今週もUNDP(国連開発計画)として活動させていただいているため、UNDP/UNEP(国連環境計画)/UNECE(国連欧州経済委員会)がカザフスタンの経済省とコラボレーションして開催したワークショップに設営側として参加させていただきました。ここでは主に国内の資源やそれに伴う経済効果などについて話し合われていましたが、様々な分野から多くの参加者がいらっしゃって、それぞれの角度から分析されたカザフスタンや世界の状況を学ぶことができました。ここで働いていなければ、他の組織とともにワークショップやイベントが開催していることやそれがどのような働きを持っているのか考えることもなかったと思います。自分が参加するだけではなくそのイベントにどのような趣旨や意味があるのか意識することでさらに多くのものを吸収できるようになると感じました。

ホームパーティー
先月の着物チャリティーイベントで一緒にボランティアとして働いていた方のお宅でホームパーティーにお邪魔しました。カザフスタンの伝統料理である馬肉ソーセージのようなビシュパルマクを始め、たくさんご馳走をふるまってくださりとても楽しい時間を過ごすことができました。大使館で働かれている方の奥様方やカザフスタンの方とご結婚されている方など様々なお話が聞けるのもとても嬉しいです。

(写真左:SDGsイベントの様子)
(写真右:カザフスタン伝統のビシュパルマク)

Week 10<< 11月25日~12月1日

UN Staff dayに向けて
11月に催したUN dayにすべてのスタッフを招待することができなかったので、今回スタッフのためのイベントを開くことを決めました。今までの様々な経験を経て自分の意見を即座に伝えられるように努めています。私はここで働き始めてから国連で働いている職員の仕事に対する姿勢や責任感の素晴らしさを実感しています。このような環境で働くことができていることに感謝し、この思いをタウンホールミーティングという形で還元できればと考えています。主にナショナルボランティアと私の二人が中心となってプログラムやどのように進めていくかなどを上司と決めていきます。私の仕事内容としては当日スクリーンに映す動画やスライドの管理、スタッフのための動画制作、UNVとのコミュニケーションとなっています。ロシア語が話せないことで同僚のナショナルボランティアの子に負担をかけてしまっていると申し訳なく感じることも多々ありますが、できることを完ぺきな状態にするように心がけています。

ASA(Ambassadors Spouses Astana)主催のクリスマスチャリティー
下村代表の奥様のひとみさんがASAのメンバーであり、今年初めて国連のブースができたということでボランティアとして働かせていただきました。当日までに何をどのようにいくらで売るのかなど綿密に話し合いを重ね、当日は下村代表がニューヨークの国連本部で購入された国連グッズや手作りのお菓子、日本酒などを売りました。予想をはるかに超える多くの人々が来場し、一日中休む暇なく対応していました。ただ参加してこのイベントを楽しむだけではなく、設営側としてこのイベントがどのように行われているのか自分の身をもって体験することができました。休日にもこのような充実した日々を過ごすことができるのはとても嬉しく思います。

(写真左:クリスマスチャリティー当日の国連ブースにて)
(写真右:凍った川の上で遊ぶ子どもたち)

過去のレポート

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