国連ユースボランティア 活動レポート
2017年2月の活動レポート
2016年9月からタンザニアの国連ボランティア計画(UNV)で活動中の米田さんのレポートです。
Week19<< 1月30日~2月5日
企画の動き出し
今週は2度のミーティングを行い、2月末に開催予定の企画案を詰めていきました。進めている企画は海岸清掃とフラッシュモブの同時開催です。この企画に決まった背景には、これまでの私の後悔と目標があります。
昨年のIVD(International Volunteer Day)では当初、誰でも参加できるイベントを行う予定で話が進んでおり、私もその考えを支持していました。しかし、実際はリスクマネジメント等の観点から参加者のほとんどが企画委員会の関係者で、一般市民を十分に巻き込むことができませんでした。そこで、今回企画を行うにあたってはタンザニアの人々に開かれたものにしようと心に決めていました。その点、この度企画している清掃活動はIVDに引き続いて2度目ですが、週末多くの人々が集まるビーチで飛び入り参加型を前提に企画を進めており、より現地の人達を巻き込めるのではないかと期待しています。また、私は本プログラムへの参加を通して「国連を人々に身近なものにする」ことを大きな目標のひとつとして据えています。同時に企画を進めているFlash mobは、その意外性と音楽を通じた交流でタンザニアの人々に親しみを感じてもらう良いアプローチになるのではないかと考えています。
今週を終えた時点でイベントの概要決めと広告作成、準備過程の役割分担まで話を進めることができました。本番まで残り時間のない中、来週は丸々1週間の出張です。忙しいとは思いますが、遠隔でできる調整は進めつつ同時並行で取り組もうと思います。恐らくこのプロジェクトは本プログラムのラストを飾る企画になるので、大成させるために全力で臨みます。
(写真:企画の広報用に作成した広告です。シンプルさを追求しました)
Week20<< 2月6日~2月12日
プロジェクトの出張取材
今週は丸々1週間出張に同行し、国内3地域で行われている気候変動対策プロジェクトの取材をさせてもらいました。今回拝見したのは主にソーラー発電システム導入計画、バイオガスシステム導入計画の2つです。
本プロジェクト取材において、私の任務は写真・動画撮影を通して現場の様子を取材することでした。また、活動報告ムービーの作成も依頼されていたため、裨益者視点でプロジェクトがどのようなインパクトをもたらしているのかの調査も兼ねて出張に臨みました。
活動を通して良かった点は、場数を重ねる毎に取材の方法を改善できたことです。最初はどう取材すれば良いのかよく分からず、ただ一行に付いて回って撮影をするのみに終わってしまいました。そこで、中盤からはプロジェクトがもたらした変化を記録するため、通訳を付けてインタビュー動画を撮影することにしました。また、より計画的に撮影を進めるために作成予定のムービーの構成を見直し、必要な素材を集める”戦略的な撮影”を心掛けました。これらの工夫・改善によって日に日に取材の能率が上がりましたし、質の高い素材を集めることができたように思います。特に、インタビューを通して当該プロジェクト、延いてはUNDPがタンザニアの人々にどのような影響を与えているのかを直接的に知ることができたのは私にとって大きな収穫でした。
此度の出張は広報担当という枠を超え、タンザニアの新たな側面を数多く見知る貴重な機会となりました。フィールドに出る機会をくれた同僚には心から感謝しています。私の本当の仕事はここからです。プロジェクトや現地の様子をありのままに、かつ効果的に広報できるよう、動画作成に専念しようと思います。
(写真:出張先の中学校で撮影した1枚です。何人かの生徒を撮影しようとしたらあれよあれよと他の生徒が集まり、レンズに納まりきらない程の素敵な笑顔を向けてくれました)
Week21<< 2月13日~2月19日
海岸清掃×フラッシュモブ企画
土曜日に、個人企画として進めていた海岸清掃×フラッシュモブ企画を学生スタッフ・ボランティアの仲間達と開催しました。
本企画は2月の初め頃から始動したため、比較的短い期間内での準備となりました。それでも、私ともう1人の責任者の二人三脚で何とか構想を具体化してゆき、残すは前日の練習会と本番という所まで駒を進めました。しかし、何事にもハプニングは付きもので、金曜日(本番前日)の朝に相方の責任者が急な事情で帰郷することになってしまったのです。それにより最も困ったのが、彼のほとんどの仕事が途中の状態で引き継がれたことでした。彼には学生ボランティアや当日の参加者、他のステークホルダーとのやり取りを一任していたため、彼の降板で一気に連絡が滞り一時は「中止」の2文字が何度も頭の中を横切りました。ですが、そこで諦めずに対応策を考え、企画の開催に漕ぎつけるために金曜日は緊急の対応に奔走しました。
不運は前日だけでは終わらず、イベント当日は20名の運営スタッフ参加予定なのに対し会場に集まったのは私を含めて5名のみでした。しかし、何としてもイベントを完遂させようと緊急会議を開き、その場で人員を集めてイベントを強行することに決めました。結果として当初予定していた内容とは異なり、飛び込み参加型のダンスセッションとSDGsのプロモーション、海岸清掃を行ってイベントは幕を閉じましたが、参加者・ボランティアの満足気な表情を見られたことで「諦めずやって良かった」と心から思えました。
この度の企画は、計画変更・急な対応の連続で本当に大変なものでした。しかし、全ての過程を乗り越えて臨機応変に動く力や柔軟性が鍛えられました。そして何より、最後まで諦めずに完遂させられたことに大きな価値があると考えています。反省点もたくさんありますが、此度の成功も失敗も忘れず今後に活かしていけたらと強く思います。
(写真:イベントで撮影した1枚です。残せたものは小さいかもしれませんが、こうして1つの“機会”を創出できたことに達成感を感じています)
Week22<< 2月20日~2月26日 最終回
ラストスパートとお別れ
今週は出勤する最後の週であったため、残っている仕事を完遂させるべくラストスパートをかけました。行った仕事は主としてSNSアカウントの運営、インタビュー企画、データシェア、動画作成です。任期終盤にかけて仕事が右肩上がりに増えていたため、最後の1日まで忙しく動き回っていました。大変ではありましたが、辛いと感じたことは一度もありません。むしろオフィスや部署をまたいで仕事に奔走できていることに充実感を覚え、最初の頃の自分と比較して確かな成長を実感しました。完全に仕事を終わらせることが出来なかったのは反省ですが、持ち帰った仕事をなるべく早く終わらせられるよう、そして次の広報担当にしっかりとバトンを繋げるよう最後まで責任を持って取り組む所存です
また、最終週ということでUNの諸オフィスへ挨拶回りをし、予てよりお世話になっていた在タンザニア邦人の方々に食事へ連れて行って頂きました。周囲の方々には最初からお世話になりっぱなしでしたが、最後も皆さん「日本かタンザニアで会おうね」「またタンザニアに来ることがあれば連絡してね」と暖かい言葉をかけてくださいました。私もいつか、此度お会いした方々のように寛大で強い国際人になりたいと強く感じた次第です。本当に出会いに恵まれた滞在でした。
(写真:飛行機の窓から見た最後のタンザニアの風景です。5ヶ月前は色のない景色に見えたのが、今ではとてもカラフルに感じます)
過去のレポート
■2016年10月
■2016年11月
■2016年12月
■2017年1月
■2017年2月<最新レポート>
国連ユースボランティアHOME>>