国連ユースボランティア 活動レポート
東ティモール |
千葉 奏美 さん (社会学部 社会学科 3年)
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2022年12月の活動レポート
2022年9月から東ティモールのUN
Womenで活動中の千葉さんのレポートです。
2022年12月
16 days キャンペーン
11月25日から16日間にわたって国連全体におけるジェンダーに基づく暴力撤廃に向けたグローバルなキャンペーン「16
days of Activism against Gender-Based Violence
」があり、そのキャンペーンに伴い、東ティモールUN
Women事務所でもさまざまなイベントが開催されました。まずは、大統領府と東ティモールの象徴となっている銅像、クリスト・レイをキャンペーンのテーマカラーであるオレンジ色にライトアップするというものです。このイベントは各省庁の大臣や大統領が出席するイベントだったため、私は日本人スタッフとして、出席確認が取れていない日本大使館に対して参加可否についてのフォローアップをすること、お越しいただいた日本大使をお出迎えすること、出席されたゲストに対して記念のオレンジのリボンを配ることという主に3つのタスクを依頼されました。時間がない中で自分が今まで参加してきたミーティングでできたネットワークを用いて再度出席依頼を行い、結果的に大使の方にお越しいただけたという成果を出せたことは、とても嬉しく、自分の仕事にやりがいを感じられました。
そのほかにも、性暴力、セクシャルハラスメントの温床になりがちな公共空間の安全性を評価するためのウォーキングイベントが行われ、このイベントには政府関係者、NGO、安全意識の向上に関心のあるコミュニティ関係者等が参加しました。実際に女性の経験談を聞きながらより安全な公共空間にするための意見を出し合い、後に政府にに対して提案書を提出します。私はこのイベントをSNSにて発信するため、広報用の写真撮影を行う業務を担当しました。オフィスのカメラを任されるのは初めてだったため、緊張しましたが、他の組織からのカメラマンの動きを観察して真似したり、生き生きした参加者の表情を写すために角度や明るさを工夫したりしながら楽しんで業務を全うすることができました。実際にSNSの投稿を見た同僚から撮影した写真をあなたにお願いしてよかったと褒められた時は、とても嬉しかったです。また、実際にこの時の業務が評価され、別のイベントでも写真の撮影を依頼された時は、次につながる仕事ができた時の喜びを味わうことができました。
大使館への訪問
日本大使館の参事官の方にお会いして、UN
Womenと日本政府の協働を模索するためのミーティングを行いました。実は最初、私の個人的な訪問として参事官の方にアポイントメントを取ったのですが、その後職場の上司やヘッドと議論した結果、日本政府はUN
Womenにとって重要なドナーであること、先方が参事官であることからUN
Womenとして正式に訪問することになりました。私個人の訪問予定をきっかけに、来年度以降の日本政府からの支援についての議論を進めることができる結果となりました。
訪問当日は、日本政府との今後の関係強化および資金調達のため、UN WomenのWPS (Women, Peace and
Security), DRR(Disaster Risk
Reduction)分野においてこれまで日本政府の支援によって出された成果をプレゼンしました。実際、2020年まで、女性の平和、安全保障のためのプロジェクトが日本政府の予算のもとで行われており、東ティモール女性のエンパワーメントのために使える東ティモール政府の予算の拡大や、政府職員の知識、能力の向上を通じたキャパシティの拡大に大きな影響を与えました。
日本政府はあくまでUNのドナーであり、同じ日本人とはいえど、立場の違いが自分ができることに大きく影響するのだということを実感しました。また、UNプロジェクトがどのような仕組みで計画段階から実施まで動いているのか、それぞれの立場が予算を組むタイミングはいつなのかなど、実務的な面を深く理解することができ、非常に勉強になる1日でした。
JICAへの訪問
アポイントメントを取って東ティモールJICA事務所が防災のためにどのような事業を行っているのかを知るために所長とミーティングを行いました。日本と比較した時に東ティモールの政府の組織構造はどうなっているのか、防災意識が東ティモールでいつ高まったのかなど、日本と東ティモールの比較という観点や所長自らの経験から、より東ティモールの現状を具体的に知ることができました。防災と一括りに言ってもその概念はとても広く、防災という枠組みの中でも特にどのような観点の重要性を政府に対して訴え続けていきたいのか、それぞれの組織によって異なるところが面白いと感じました。また、広い概念だからこそ、それぞれの組織が強みを活かして協働していかなければならない分野なのだと感じました。また、防災の重要性を相手に対して訴えかける時に、どのような言葉を使うのか、どうやってその重要性を浸透させていくのかというような、交渉における技術的な側面も勉強させていただくことができました。
過去のレポート
■2022年9・10月
■2022年11月
■2022年12月
■2023年1月
■2023年2月(最新)
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